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「まだバルサとはやりたくないかも」
レスター岡崎慎司、CLで再び奇跡を。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byAFLO

posted2017/03/17 07:00

「まだバルサとはやりたくないかも」レスター岡崎慎司、CLで再び奇跡を。<Number Web> photograph by AFLO

メガクラブのストライカーのように得点を量産しているわけではない。それでも岡崎の献身性はレスターを勝たせる大事なエッセンスである。

ビビらず行って負けても、レスターらしくていいやん。

「今までは『もっと、はっきり戦おうよ』と強く思ってました。でも監督が代わり、こうやって自分たちは優勝したんだというのをこの2戦で思い返せた部分が大きかった。『もっとアグレッシブにビビらず行って負けても、それでレスターらしくていいやん』というのが、今はできている」

 岡崎が語るように、2トップのバーディーと岡崎が前線から激しくプレスをかけ、それを中盤、ディフェンス陣が後押しする。選手たちは、信じられる自分と頼りになる仲間、よりどころになるストロングポイントを再び思い出した。

 そして迎えたセビージャとのCLセカンドレグ、レスターは開始早々からハイプレッシャーでリズムを掴む。身体を寄せれば、セビージャのボールは後ろへ下がる。ボール奪取も容易だった。その中で岡崎も相手DFに圧力をかけるため、マイボール時には味方のパスを受けるために走り続けた。

「一番気をつけたのは、プレーが止まるとき。みんなの集中力がちょっと切れそうになったときは、相手に余裕を与えないようにしようと心掛けた。“味方が止まったな”と感じたら、自分が前に行くことで相手にボールを蹴らせる。相手にボールを持たせないというのは、僕がピッチに立っている間は継続してやれたと思う。そういうところでチームに貢献できたと思う」

点取り屋としての葛藤はあるが、チームを勝たせたい。

 後ろに下がるのではなく、常に前を意識する。岡崎は“ノンストップ・オカザキ”と言われた昨季のキレを取り戻していた。

「チームを勝たせるプレーヤーとしては、かなり成熟してきていると思う。ただフォワードとしての評価という部分での葛藤はある。でも、今はチームを勝たせたい。今はこのスタイルができないと試合に出られないと理解しているから。

 もちろん、今日もパスを受けたときに、次の選択肢がなくてミスをしてしまったシーン、シュートを決めきれない場面もあった。それはパスをもらった時点で疲れ切っているというところもありましたけど(笑)。ただ、相手にプレッシャーをかけたり、味方からのくさびのパスを受けて落としたりというプレーはできたし、僕の周りにはドリブルが好きな選手がいるから、そういうプレーが効いていた。こういうプレッシングサッカーのなかで、自分は最大限に生かされるということを再認識できた」

【次ページ】 まさか、セカンドレグのピッチに立てるとは!

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