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天皇杯を制した町田ゼルビアのロングスローに賛歌を。
posted2025/12/17 09:00
昨季、町田に加入した林幸多郎。天皇杯決勝でも得意のロングスローから先制点を演出した
text by

藤島大Dai Fujishima
photograph by
AFLO
その勝利に不思議はない。よく勝つ人は、勝手を知るスタジアムの決闘に臨み、割り切り、信じ、心のスキにスペースを与えず、したたかさとたくましさは削り合わぬのだと、3-1のスコアをもって示した。
町田ゼルビア、天皇杯優勝。
元教員、黒田剛監督はJリーグの指導歴3シーズン弱にして伝統の大会を制した。
「立ち上がり15分で決まる」
戴冠直後のインタビューでは、対ヴィッセル神戸に際しての心構えを明かした。そう。サッカーでもラグビーでも「最初にギョッとさせる」ことが挑戦者の必勝法なのだ。わけても高校生においては顕著であり、総合力で上回る側もいきなり激流に呑まれると、なかなか対応できない。15分の圧倒とは、すなわち90分の心理的主導権獲得にも等しい。
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