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酉年で、五輪の主将で浦和のCB。
遠藤航と那須大亮は好敵手で、同志。
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/07 17:00
ボランチでも、センターバックでも那須大亮のパフォーマンスは安定している。今季18試合に出場すれば、J1通算400試合の大台に乗る。
那須「阿部と比べてもらえると分かりやすい」
那須は、「例えば阿部勇樹なんかと比べてもらえると分かりやすいと思うんですけど」と、同じ1981年生まれのチームメートを例に出し、その強い思いと長くサッカー選手でいられる秘訣を話した。
「彼はクラブでも代表でも試合に出続けて、輝き続けてきているタイプですよね。僕の場合は、(試合に)出させてもらっている時もあったけど、30歳を超えてから常にレギュラー争いをさせてもらって、『負けてたまるか』という気持ちでずっとやれていますし、それは今も変わらないですよ。それが、僕の場合は長く選手をやっていられる秘訣だと思います。
色々なサッカー選手の人生があるけど、僕は昔から争いの中で何かを見出して、常に成長を求めてきたタイプです。そのためには、こういう準備の部分がすごく大事なので、気持ちを切らさないためにもやり続けないといけないですから」
那須は事も無げにさらりと話したが、実は同世代の選手たちの活躍には悔しさも味わってきた。
実は那須は、A代表の出場経験がない。
意外にも、那須はA代表の試合に出場したことがない。阿部は言うに及ばず、鹿児島実業高校の同級生である松井大輔(ジュビロ磐田)や田中マルクス闘莉王(京都サンガ)、駒野友一(アビスパ福岡)といった面々はワールドカップのピッチに立った。しかし、那須には親善試合ですらチャンスが訪れなかった。U-23世代の日本代表チームでキャプテンを務めながら――。その胸中は、察するに余りある。
「本心を言えば、もっと要領よくやれたらいいのかなと思い続けてはきましたよ。でも、どのチームに行っても常に同世代には日の当たる選手がいて、すごく葛藤があったし、代表に選ばれたいという気持ちもずっとありましたから。でも、彼らがいたから『負けてたまるか』という思いでやってこられましたからね」