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酉年で、五輪の主将で浦和のCB。
遠藤航と那須大亮は好敵手で、同志。
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/07 17:00
ボランチでも、センターバックでも那須大亮のパフォーマンスは安定している。今季18試合に出場すれば、J1通算400試合の大台に乗る。
3バックの中央に立てるのは常に1人だけ。
自ら「苦しい時こそがチャンスだ」と話す“逆境男”は、全く折れることなく自らと向き合う。そして、「自分が出たら勝つというイメージを作らないといけないですからね」と、チャンスを必ず結果につなげる気概を見せ続けている。だからこそ、昨年夏に遠藤がリオデジャネイロ五輪でチームを離れた時に、当たり前のようにチームを勝利に導き続けた。浦和が昨季リーグ戦での年間勝ち点1位を獲得できた要因として、那須の存在は小さくなかった。
一方の遠藤にとって、横に立つだけで熱を感じるような一回り先輩のセンターバックとの関係はどのようなものなのだろうか。浦和は3バックシステムを採用しているだけに、中央のポジションを務められるのは1人だけだ。ある意味では、GKと似ている部分があると言えるのかもしれない。そうしたポジションでは、時に周囲に悪影響を与えかねないほどのライバル関係になってしまうこともある。
遠藤「ゴールを守る感覚は似ていると思いますよ」
しかし、遠藤は「そんな感じじゃないですよ」と言わんばかりの表情で、その関係が良好であること、那須から学ぶ点が多いことを話してくれた。そして、遠藤にとっては同じポジションの良き先輩であるのだという。
「プレースタイルはそれぞれの中にあると思いますけど、最終的にゴールを守る感覚は似ていると思いますよ。それまでの過程でクサビに強く寄せるのか、カバーリングを重視するのかという違いはあると思いますけどね。どっちが試合に出ていても、試合を振り返った話をすることが多いですから。
もちろんスタメンを争っているので刺激は与えあってはいると思いますけど、守備に関する意見を僕からも那須さんからも出す感じですよ。『良き理解者?』、そうですね。攻撃的なサッカーをやる中での自分たちのポジションの難しさを理解しているし、周りの動かし方なんかも理解し合っているので」