バレーボールPRESSBACK NUMBER
春高バレー連覇の下北沢成徳。
監督が語る教育、沙織、そして愛。
text by
久保大Masaru Kubo
photograph byHirofumi Kamaya
posted2017/02/01 08:00
春高連覇の中心となった3年生の(左から)山口珠李、山崎のの花、堀江美志、黒後愛は、今年Vリーグ入りが決まっている。
日本バレー界は「光が見えない状態」だが……。
――2020年は東京でオリンピックがあります。選手を送り出す立場として、日本バレー界に何が必要だと思いますか?
「厳しい質問ですね。世界と戦っていく中で、こうすれば光があるというのが今、見えない。結局、V・プレミアリーグで勝っているチームや戦術で、世界と戦った時に勝てるのか。小さくてもテンポを速くしてカバーするというバレーで世界に勝てるのか。竹下佳江(現ヴィクトリーナ姫路監督)さんは、すごい技術力でロンドンで銅メダルを日本にもたらしましたが、本当にこれからも前衛で3ローテブロックに飛ぶセッターを高くしなくて世界に勝てるのか。バレーにかかわる方がみんな、このままでは厳しいなと思いながら、やっているところにドン詰まり感というか、閉塞感があるんだと思います。
まずは自分のできること、世界を見据えた選手を1人でも多く育てることが、高校指導者として私が貢献できることだと信じて、あと何年かバレーに向き合おうと思っています」