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FC東京、何も得られなかった1年間。
森重が語った「選手だけでなく……」。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/12/29 08:00
森重真人自身は今年もベストイレブンに選ばれ、日本代表スタメンにも定着している。しかし、彼がFC東京の現状に満足しているはずがない。
来季、選手層はJ随一になる。あとは……。
12月初旬に行われたイベント。集まった大勢のファンやサポーターの前に立った大金直樹社長に向けて、スタンドからは拍手に混じって野次やブーイングも飛んだ。クラブを取り巻く人々は、チームの成績とともに徐々にクラブやフロント自体にも不満の態度を示している。
そんな視線が注がれた状態で迎える、2017年。来季に向けてクラブは、大型補強を進めている。すでに名古屋から日本屈指のスピードスター・永井謙佑の移籍が発表されている。さらに川崎Fのエース・大久保嘉人や鳥栖の日本代表GK林彰洋の獲得も、正式発表を待つだけの状態。残る強化ポイントのボランチの獲得に向けても、現在交渉を続けている。
各ポジションで現代表、元代表らを多く抱えることになる。選手層は、J随一となる見込みだ。
しかし、リーグタイトルを未だ獲得できていないこのクラブで、足りない部分は現場以外のレベルにも存在する。昨季から今季までの顛末や、冒頭の森重のコメントからも、感じ取ることができる。
最後に、同じく森重が今季のリーグ最終戦直後に語った言葉がある。
「選手だけでなく、現場のスタッフ、フロント、FC東京という会社としてプロフェッショナルにならないと、勝つのは難しいと思った」
実際にピッチで戦う人間から飛び出た、心の叫び。チーム強化が進む来季、FC東京はクラブ全体でこの言葉の意味を噛み締めながら、立ち上がることができるだろうか。