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高梨沙羅、葛西紀明らにいい環境を!
スキー連盟は強化費問題に本気だ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2016/11/08 11:00
ソチでの4位は、高梨沙羅を一回り強くした。21歳で迎える平昌五輪では、確実に表彰台の一番上を狙っている。
2020年の前に2018年の平昌に注目を集めるために。
連盟でも今年6月には個人を対象に一口3000円から寄附できる賛助会員制度をスタート。10月にはクロスカントリーナショナルチームが法人を対象に寄附の募集を開始するなど、さまざまな手は打っている。
ただ、それは一助になるかもしれないが、根本的な解決策とはならない。連盟として主体的に、積極的に解決に乗り出していかなければ道筋は見えてこない。
皆川氏の話の中には、「独立自尊」という言葉があった。今回の会見では、かつてない演出の仕方、開幕前らしい華やかさをはじめ、変化が見られたのは、連盟としての主体性があったからではないか。そういう意味で、改革への意思が見えた会見でもあった。
会場では、こんな声も聞かれた。
「どうしても、世間の関心は、2020年に向きがちで」
2年後の平昌五輪よりも、2020年の東京五輪へと目が向きがちな傾向があるのは否めない。
東京の前に、冬季五輪があることを知らしめるためにも、連盟そのものの取り組み、そして選手たちの活躍が重要となっていく。