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高梨沙羅、葛西紀明らにいい環境を!
スキー連盟は強化費問題に本気だ。
posted2016/11/08 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
11月1日、全日本スキー連盟は本格的なウインタースポーツシーズン開幕を前に、東京都内で記者会見を開いた。会見には各競技の選手が出席。選手たちの力強い抱負と、連盟としての決意が見られた会見となった。
出席したのは、ジャンプの葛西紀明と高梨沙羅、ノルディック・コンバインドの渡部暁斗、クロスカントリーの石田正子、アルペンの湯淺直樹、スキー・ハーフパイプの小野塚彩那、スノーボードクロスの桃野慎也の計7名。
今シーズンは世界選手権が実施される。また、プレ五輪シーズンでもある。選手たちは、再来年に行われる平昌五輪を視野に入れつつ、抱負を語った。
葛西は、10月に平昌で合宿をしているが、そこで好感触を得たと言う。
「白馬のジャンプ台に形状が似ていて、日本選手にとって有利だと感じました。ジャッジタワーが向かって左側にあるのも有利だと思います」
ジャンプする選手から見て右側にジャッジがいることで、葛西のように着地で右足を前に出す選手はきれいに見えやすいという。ソチ五輪ではテレマークの姿勢で差がつき銀メダルだったことから、自信を深める視察となったことを明かす。
高梨「いいスタートが切れました」
高梨も葛西同様、笑顔で語る。
「(10月30日の)NHK杯で優勝することができ、シーズンのいいスタートが切れました。来年の世界選手権大会、平昌オリンピックと大きな大会が続きますが、1つ1つしっかり取り組んでいきたいと思います」
葛西とともにソチでメダルを獲得した渡部と小野塚は、ソチのあとも好成績を残してきたが、思いはそれぞれだった。
2シーズン連続ワールドカップ総合2位と安定した成績を残してきた渡部。
「昨シーズンは2位ばかりで、勝てそうな試合を落としました。2位を1位に変えられるように勝ちにこだわりたいです」
ワールドカップ総合優勝を2シーズン連続で成し遂げた小野塚はこう語る。
「目標はワールドカップ3連覇と世界選手権のメダル獲得です。でもそんなに気負わず、1試合1試合取り組みたいです」