話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
湘南にあって、名古屋にない「希望」。
スタイルを創るのは今しかない!
posted2016/11/04 13:10
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
落ちるべくしてJ2に落ちた。
名古屋グランパスのJ2降格は、不運でも間違いでもなかった。その理由は、J1リーグ最終戦、1-3で敗れた湘南ベルマーレ戦の中に見て取れた。
勝たないといけない。
そのプレッシャーを背負った名古屋の選手たちはナーバスになり、硬くなっていた。前に出てくる湘南に対してプレスをかけようとしたが、バラバラで球際も強くいけない。前半6分の山田直輝の先制ゴールは素晴らしかったが、田口泰士があっさりとかわされて決められた。粘ってついていけなかったのだ。
名古屋の選手は総じて守備が軽かった。湘南の選手はどこまで追いかけてボールを奪おうと体を入れたが、果たして名古屋の選手はそういう守備をしていただろうか。
PKで1点差に迫っても、まだ失点を恐れていた。
攻撃も湘南に読まれ、封じられていた。
今シーズン序盤、名古屋はサイドからクロスを上げ、シモビッチの高さを生かす攻撃がハマった。さらに永井謙佑のスピードを生かしたアタックも脅威になった。だが、脅威になれば研究される。この日も何回かセットプレーがあったが、湘南のDF陣はシモビッチをはさみ込むようにして自由にさせなかった。永井は決定的なシュートシーンを見せたが攻撃は単発で、湘南がショートパスをつないで崩していくのとはあまりにも対照的だった。
ただ、潮目を変えられるチャンスはあった。
この試合でいえば、PKをもらって1-2の1点差になった時だ。本当に力のあるチームなら一気に同点、そしてひっくり返しにいくところだが、逆にさらなる失点を怖がっているように攻撃がノッキングを起こしていた。