プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武・浅村栄斗が見たくなかった物。
「足を引っ張ったという自覚はある」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/09/22 07:00
浅村栄斗の打率が3割を超えたのは、実は2013年の1度だけ。今年3割を維持できれば、さらなる飛躍のきっかけになる。
内野手のリーダーは、浅村しかいない。
上本は言う。
「キャッチャーの立場から言えば、もっともっと守備でも内野を引っ張ってほしい。ピッチャーが苦しいときには、もっとマウンドに行ってほしいと思います。僕らは3度しか行けないけど、内野手はいつでも行けますからね」
シーズン途中からショートで出場する呉念庭はルーキー。サードの中村は指名打者として出場する機会も多く、ファーストにはメヒアが入る。こうした顔ぶれを見ても、内野手のリーダーとなり得る選手は、やはり、内野でただ1人、全試合出場を果たしている浅村しかいない。千葉ロッテの鈴木大地や、ソフトバンクの松田宣浩のように、投手が苦しいとき、チームがピンチを迎えているときに、自ら動き、浮き足立つチームを落ち着かせる役割が、より一層、浅村には求められている。
2年連続でCSを逃し、今年も厳しい戦いが続く。
浅村は言う。
「当然ですけどチームの今の順位には全く納得していないです。でも、後半戦の戦いは来年に必ずつながると思うし、つなげなければいけない。可能性がある限り、諦めずに一試合一試合プレーするだけです。何より、ファンの人も見ていますしね」
かつて常勝軍団と呼ばれたライオンズだが、2014、2015年と2年連続でクライマックスシリーズ進出を逃している。今シーズンも4位と、数字的にはAクラス入りの可能性が残っているが、ファンにとってはフラストレーションのたまる戦いが多い1年だったことだろう。
後半戦に見せた意地を、来シーズンはスタートから見せられるのか。浅村がシーズンを通じて安定した結果を残すことができれば、チーム浮上の希望は確実となるはずだ。