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浅野拓磨は欧州にすでに適応済み!?
デビュー戦で披露した肉弾戦の耐性。
posted2016/09/17 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
浅野拓磨のデビュー戦は、格下相手に1点ビハインドの後半36分にめぐってきた。9月9日、ハインデンハイムとのシュバーベンダービーだった。
アーセナルから期限付き移籍(期間は1年間だが、延長のオプション付き)が決まり、シュツットガルトとの契約書にサインをした直後に日本代表の活動があった。そのため、この試合の前にチームとともに一緒に練習したのは、わずかに1日だけ。それでもルフカイ前監督によれば、浅野の起用に踏み切ったのはコンディションが良かったことも理由の一つだったという。
そうした状況だったことで、細かい指示もなく思い切りプレーするようにピッチに送りだされた。しかし、センターバックやMFゲントナーも前線に張っているような状況で、浅野の頭上をロングボールが飛んでいくような展開が続き、決定機には絡めず。チームも格下とのダービーに1-2で敗れることになった。
試合後、浅野はこう語った。
「こぼれ球を、トラップしながら(きちんと)シュートにいけなかったシーンもありましたけど、グラウンドが濡れている状況であったり、初めてピッチに立ったということだったり、色々なものが重なって思い通りにはいかなかった。ああいうところで、もっともっと冷静にやっていかないといけないなっていうのは、課題です」
球際でのフィジカルコンタクトは“慣れ”ている。
一方で、きらりと光ったシーンもあった。
出場して3分後、センターサークル付近で後方からのパスを受けたシーンだ。カウンターを狙うハイデンハイムの選手2人が寄せてきたが、肩をぶつけて入れ替わると、難なく左へ展開した。浅野の戦いの舞台となるのは、ともすればブンデスリーガ1部以上に、肉弾戦の激しい2部リーグ。そのなかでも焦らずにプレー出来た理由を、浅野はこう解説した。
「国際試合も代表などで経験してきていますし。外国人の特長である、ガッとついてくる部分であったり、そういう部分のイメージはなんとなくあるので、そんなに(戸惑うことはなかった)。焦ればハマってしまいますし、冷静にやればかわせる部分だと思いますし。ああいうターンだけではなくて、ワンタッチではたいて、また裏に走るようなプレーも、もっと出していければ、自分の特長は十分に活きるのかなと」