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さらばベルルスコーニ、迎える転換期。
“チャイナ・ミラン”で本田の境遇は?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2016/08/19 11:00
ベルルスコーニか中国投資グループかは関係なく、ピッチで結果を残すことこそがナンバー10を背負う本田の使命となる。
ドイツ遠征で見せたアシストとタフネス、万能性。
昨季、シニサ・ミハイロビッチ監督が用いた4-4-2では右サイドハーフとして全幅の信頼を得た本田だが、新監督と新戦術の下で待っていたのは、再びのポジション争いだった。脆い守備陣に引っ張られ、攻撃陣も機能しない悪循環の中、本田は辛抱強く後半からの途中出場を続けながらコンディションを上げていった。
結果を出したのは、トライアングル・トーナメント「トロフェオTIM」を経て、14日に乗り込んだドイツ遠征だ。
ブンデスリーガに今季昇格したフライブルク相手のゲームで右サイドFWとして先発すると、L・アドリアーノによる前半39分の先制点を正確なアシストでお膳立てした。
レフェリーが2度も給水タイムアウトを設けた猛暑の中、ミランは2-0で勝ち、本田はフィールドプレーヤーの中で唯一先発フル出場を果たした。
ボールポゼッションに強いこだわりを持つ新指揮官へ戦術ユーティリティとタフネスを見せつけたことで、開幕スタメンの可能性も十分に出てきた。
開幕戦は前指揮官ミハイロビッチが率いるトリノ戦。
21日の開幕戦では、前指揮官ミハイロビッチがトリノを率いて、サン・シーロに乗り込んでくる。昨季終盤、ベルルスコーニの強権によって突如解任の憂き目に遭ったミハイロビッチにとっては、願ってもない意趣返しの機会だ。
「開幕戦の相手がミランならモチベーションも倍になるというもの。サン・シーロには勝ち点を取りに行く」
FWベロッティに新加入のFWリャイッチとFWイヤゴ・ファルケを加えた強力3トップと前指揮官は、開幕戦だけでなく今季を通して欧州カップ戦出場枠を争うライバルとなる可能性も高い。
ミラニスタたちにとっても、今季のチームへの期待値を図る上でトリノは格好の相手といえるだろう。