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涌井秀章の横に石川歩がいる……。
後半戦ロッテは2人のエースで逆襲へ。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/07/12 07:00
プロ入りして1年目に10勝、2年目に12勝、そして3年目の今年は7月段階ですでに9勝している石川。
ヨガとピラティスを加えて、心身ともに調整を。
今季、石川は先輩の涌井秀章の投球を参考に、試合展開に合わせたメリハリを意識して投げている。
勝負どころでは力を入れて、1点、1安打にこだわらなくてもいい場面では多少、割り切って投げる。そういう考えだ。
「今年はある程度調子が悪くてもなんとかできるフォームで投げられているので、ギアを上げたいときに、上げられているんだと思います、たぶん……。というのも僕でもよく分からないところがあるんですよ。自然にやって、そうなっている感じなんで、意識してやっている風ではないんです」
さらに石川はリラックス効果と体調管理を兼ねて、ヨガとピラティスに取り組んでいる。
マウンドで無心になれるのはヨガの効果、思い描くフォームで投げられているのはピラティスの効果が大きいと話す。
田村「ワクさんに似てきたと思う」
今年の石川は一皮も二皮も剥けたそんな印象を我々、見ている側に与える。
その辺りの変化について、キャッチャーの田村龍弘に訊くと彼はこう答えた。
「打たれちゃいけないポイントとか、ギアの入れ加減とか、ワクさんに似てきたと思う」
千葉ロッテには涌井と石川という、ここ一番で“負けない”大黒柱が2人いる。当然、千葉ロッテの後半戦の展望は明るい。
7月10日現在、首位の福岡ソフトバンクとのゲーム差は8に広がった。2位の座も北海道日本ハムに譲っているが、それでも選手、および首脳陣に悲壮感はまるで感じられない。
昨年はオールスターまでの前半戦を37勝42敗1分の借金5で折り返した。今年は前半戦あと2試合を残して47勝35敗1分で貯金が12。
「ここまでの前半戦は想定内」と伊東監督。手応えも感じている。
ここからが“逆転のロッテ”の真骨頂。その戦いに2人のエースがどう絡んでいくのか注目したい。