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青木、岩隈、カノらが語るイチロー。
「数字じゃ測れない。選手にはわかる」
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/06/23 11:00
開幕前は出場機会を危ぶまれていても、気づけば打席に立っている。ここ数年繰り返されるその光景にも、イチローの凄みの一端があるのだろう。
イチローが望む「抜かれること」。
2009年のWBCでは、イチローのリーダーシップに「さすがだなと思った」という。2012年、マリナーズに移籍してチームメイトになった時は「緊張して、簡単に話しかけられなかった」と笑う。
「もう二度と、イチローさんみたいな選手は出てこないと思う。スゴイとしか言いようがないでしょ」
イチローみたいな選手は出てこない。私もそう思う。だが、周りが不可能だと思うことを達成してきたイチローは、『それではダメなんだ』と記録達成後の囲み会見で発信している。
「(ローズのメジャー記録を)いつかアメリカで抜く選手が出てきて欲しいし、それが(元ヤンキース主将の)ジーターのような人格者であることが理想。もっと言えば日本(の年間公式戦試合数)で抜くことが恐らく一番難しいこと。それを誰かにやってほしいし、僕は見てみたい」
イチローから若い世代へのメッセージ。それはひときわ強く、ひときわ眩しく、光り輝いている。