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<動画あり>「弟はEURO優勝を目指せる」
クリスティアーノ・ロナウドの兄を直撃!
text by
竹澤哲Satoshi Takezawa
photograph byKeita Yasukawa
posted2016/06/18 11:30
ロナウドの10歳上の兄・ウーゴはマデイラ島のロナウド博物館の責任者を務める。
幼いころからいつも1人で練習していた。
――小さい頃のロナウドはどうでしたか?
「いつも1人で練習していたね。毎日4時間ぐらい、左右どちらの足でも蹴れるようにと、壁に向かってボールを蹴っていたよ」
――お父さんはどのような人でしたか? いつもロナウドの試合を観に行っていたのですか?
「あいつがアンドリーニャでプレーしていた6歳から8歳の頃は、試合があれば父はいつも観に行っていた。俺は働いていたから行けなかったんだ。父はいつもみんなから離れたところで1人で見ていたよ」
――試合後はいつもロナウドにアドバイスしたりしたのでしょうか?
「励ましたり、時にはアドバイスもしていた。でも、決してあいつの気分を害するような言い方はしなかったな。パスを出すべきだったとか、そういったことをよく言っていたね。父はもともとおとなしい人だったんだ」
「パシエンシアがある」
――あなたは16歳の時、家族を助けるためにアルミニウム工場で働き始めたのですよね。
「そう、学校を辞めて働きに出た。俺が16歳の時で、その時クリスティアーノは6歳だった」
――あなたもサッカーをやっていたのですか?
「俺もアンドリーニャでプレーしていたよ。17歳の時までね。でも働くようになってからは、やらなくなった。俺が仕事から帰ってくると『兄貴、一緒にやろう』とよく言ってきたよ。おそらくあいつは、ナシオナルへ移った10歳の頃から、頭の中には『何としてもプロにならなければいけない』という考えがあったんだろうね。そしてその通りになった。だから、良かったんだ」
――現在でも、いつも練習を続けていますね。
「ああ、いつも練習している。午前中クラブで練習し、帰宅してからも練習している。彼には他に選択肢はないんだ。さらに息子を相手に庭で2時間ぐらいボールに触っている。パシエンシア(忍耐力)があるんだろう。本当にサッカーが好きなんだ」
――彼がルタドール(闘う人)なのは、家族の影響でしょうか?
「当然だね。誰もが簡単な人生を歩めるわけじゃない。そうでない場合は戦わなければいけないんだ。弟は今でもその精神を持ち合わせている。年齢的にはベテランの域に達しているが、それでも今よりさらによくなろうとしている」