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優雅なイチローと三振率の低さ。
成績向上の裏に悪球打ちの減少が? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byNaoya Sanuki

posted2016/06/14 17:00

優雅なイチローと三振率の低さ。成績向上の裏に悪球打ちの減少が?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

日本人として初めての殿堂入りが確実なイチローの、ピート・ローズ超えには、全米から注目が集まっている。

このままいくと50歳までプレーできる可能性が。

 安打数は、イチローの2935本に対して、ローズは2970本だ。首位打者は、イチローが2回で、ローズが3回。打点は、738対862。本塁打数は113本対109本。三塁打数はともに91本。二塁打数は341本対554本。三振数は995個対696個。四球数は596個対1105個。盗塁数は498個対139個。ゴールドグラヴは、10回対2回。

 つまり、パンチ力やしぶとさではローズが上で、スピードや守備力ではイチローが大きく上回っていることがわかる。ローズは、22歳から26歳までの間に899本の安打を稼いだ。42歳から45歳までの最後の4年間でも、粘り強く387安打を打って、タイ・カッブの歴史的記録を塗り替えた。

 だがイチローの場合、いまの動体視力や筋力を維持すれば、50歳までプレーできる可能性が高い。そうなれば、通算安打数以外の面でも、アメリカの観客は「優雅なイチロー」の価値に気づくのではないか。

 いや、すでに気づいているはずだ。ローズは44歳の年にオールスターに出場したが(代打でドニー・ムーアと対戦し、セカンドゴロ)、イチローにも出場のチャンスは十分にあると思う。彼はいまなお、自分自身を更新しつづけている。それがつづくかぎり、野球の世界は新鮮な局面を覗かせる。われわれ観客が驚きや楽しさを覚えるのは、そういう局面に立ち会えた瞬間ではないだろうか。

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