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U-23のOA枠に誰を呼ぶべきか。
金崎、長友、そして清武or柴崎?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2016/05/10 10:40
ハノーファーではプレースキッカーとしても全幅の信頼を得ていた清武弘嗣。U-23にもフィットしそうだが。
A代表のW杯最終予選も直後に控えている。
もちろん、A代表のロシアW杯最終予選との兼ね合いもある。
リオ五輪でメダルをつかむには、8月4日から20日までに6試合を消化しなければならない。一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が統べる日本代表は、9月1日と6日に最終予選を戦う。
リオでフル稼働したばかりの選手が、トップコンディションで最終予選に臨めるかどうかは不透明だ。UAEとタイを相手に連勝スタートを切りたいだけに、ハリルホジッチ監督からOAの人選にリクエストが入る可能性も否定できない。
加えて、手倉森監督が自らに課す条件もある。OAを招集するのであれば、ロシアW杯へつながる選手を呼ぶべきである、との考えを指揮官は持っている。2年後のロシアを射程にとらえる選手とともに、より多くのリオ世代が日本代表へ吸い上げられていくことを目ざす。メダルを獲るためだけに、OAを使うことは考えていないのだ。
5月6日の会見でも、手倉森監督は柔軟な対応を強調した。
「'08年の北京五輪で、OAを使おうとして使えなかったことがあるので、そういうことも起こり得るのかなと思っている。いまこのリオ世代というグループのなかで、ものすごく正しい競争が育まれてきている。だからこそ、この短い期間で成長してきている。彼らでやりきるのは、ひとつの手段だなと思っています」
プレースキッカーとしては清武弘嗣が最適か。
招集できるか否かをひとまず度外視して、OAによる“補強”のポイントを考えてみる。
まず、リスタートのキッカーは必須だ。左足は山中亮輔(柏レイソル)が担当してきたが、右足はキッカーが定まっていない現状がある。
CKやFKは、力関係とは関係なしに得点パターンとなりうる。植田直通(鹿島アントラーズ)と岩波拓也(ヴィッセル神戸)のCBコンビに加え、ボランチの遠藤航(浦和レッズ)も空中戦に強い。彼らの攻撃性能を引き出すためにも、右足のキッカーが欲しいところだ。
適任者は清武弘嗣だろう。キックの精度は言うまでもなく、ロンドン五輪の経験者でもある。システムへの柔軟性も高い。
問題は所属クラブだ。ハノーファーのブンデスリーガ2部降格により、この26歳が新天地を選ぶことになると、プレシーズンのキャンプを回避するのは難しくなる。
国内なら柴崎岳だろうか。リスタートのキッカーを務められるだけでなく、ボランチでも2列目でもプレーできるポリバレントな資質は、登録メンバーが18人の五輪で大きな価値を持つ。