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U-23のOA枠に誰を呼ぶべきか。
金崎、長友、そして清武or柴崎?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2016/05/10 10:40
ハノーファーではプレースキッカーとしても全幅の信頼を得ていた清武弘嗣。U-23にもフィットしそうだが。
ストライカーでは金崎夢生が魅力的。
ストライカーも欲しい。
現時点で久保裕也と浅野拓磨は有力な候補だが、彼らとともに最終予選に出場した鈴木武蔵が戦線離脱している。185センチの高さを持つ鈴木は、守備のセットプレーでストーンの役割を果たしてきた。同じく180センチのオナイウ阿道は、所属するジェフ千葉で出場機会を伸ばし切れていない。鈴木のコンディションによって判断は変わってくるものの、OAを加えることでFWの組み合わせを多彩にしたい。
OAには、誰を指名するか。ロシアW杯に絡んできそうな選手では、金崎夢生(鹿島アントラーズ)が魅力的だ。1トップにも2トップにもフィットし、なおかつストーン役にもなれる意味で、180センチの金崎は攻守にメリットをもたらせる。ただ、アントラーズからはGK櫛引政敏、DF植田の招集が濃厚で、柴崎と金崎を加えると「1チーム3人」の枠をこえてしまう。このあたりをどう見極めるのかだ。
手薄なサイドバックには長友佑都を推したい。
3人目のOAには、長友佑都に加わってほしい。
松原健(新潟)と室屋成(FC東京)の離脱により、現状ではサイドバックが手薄になっている。左右両サイドでプレーできる亀川諒史(アビスパ福岡)が手倉森監督の采配を助けているが、長友が加われば選択肢は圧倒的な広がりを見せる。サイドバックだけでなく、中盤での起用も計算できるのは頼もしい限りだ。
ハビエル・アギーレ前監督とハリルホジッチ現監督のもとでコーチを務めてきた手倉森監督とは、すでにコミュニケーションが取れている。北京五輪でグループリーグ敗退に終わった悔しさを忘れていない彼は、手倉森監督がOAに求める「五輪への思い」を心に刻んでいる。
国内外を問わずにクラブとの交渉を担う霜田NDは、「リミットのギリギリまで現場と話をして、監督がどうしてもこの選手をOAで連れていきたいというのであれば、それが海外のクラブであっても一度交渉はしたいと思っています」と話す。手倉森監督は「オーバーエイジありきではない」と語り、「戦う仲間には必ず縁があるもの」と付け加える。
いずれにせよ、チームの骨格を担うのはリオ世代だ。OAではない。ガーナ戦とその後のトゥーロン国際で、23歳以下の選手が可能性を示すことが求められる。