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U-23のOA枠に誰を呼ぶべきか。
金崎、長友、そして清武or柴崎?
posted2016/05/10 10:40
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
着地点が見渡せなくなっている。リオ五輪に出場するU-23日本代表が、オーバーエイジ(OA)を招集できるのかどうかだ。
手倉森誠監督が率いるチームは、リオでのメダル獲得を目標に掲げている。そのための手段として、指揮官はOAの招集に前向きな姿勢を示してきた。日本サッカー協会の技術委員会も、バックアップを約束してきた。
開幕まで3カ月を切ったリオ五輪へ向けて、手倉森監督はチームの強化と新戦力のテスト、さらにはメンバーの絞り込みを並行して進めている。今季のJリーグではリオ世代の台頭が著しく、5月11日のガーナA代表戦に臨む23人のメンバーにも、所属クラブで定位置をつかんだり、出場機会を増やしたりしている選手が目につく。
清水エスパルスのCB三浦弦太、柏レイソルの右サイドアタッカー伊東純也、サンフレッチェ広島からアルビレックス新潟へ期限付き移籍したMF野津田岳人、横浜F・マリノスのFW富樫敬真らは、最終予選に出場できなかった選手たちだ。また、アジア王者の一員であるMF豊川雄太も、鹿島アントラーズからファジアーノ岡山への期限付き移籍で実戦の機会を増やしている。
欧州クラブは五輪よりもELやCLの方が大事。
リオ世代の競争力が高まっている一方で、OAをどのように活用するのか。
海外組の招集は難しい。ガーナA代表戦のメンバー発表会見に出席した霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)は、4月の現地視察で感じた欧州各国の認識を次のように明かした。
「4年前と確実に違っているのは、ヨーロッパのクラブの肌感覚では、23歳以下の年代は若手ではない。ビッグクラブでレギュラーを取っている選手は、五輪よりもチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの予備予選のほうが大事だという現実がある。ポルトガルやドイツの関係者と話をしても、23歳以下の選手でも五輪に呼べるかどうか分からないと。海外組は選手がどうしても行きたいと言っても、クラブのルールを剥がしてまで引っ張ってこられるかどうか」
そうかと言って、国内組なら無条件で招集できるわけでもない。J1、J2ともに五輪期間中も中断されないため、クラブ側の理解が絶対条件だ。「1クラブから3人まで」というルールもある。