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グアルディオラの3年間は成功か?
3年連続でCL準決勝敗退の功罪。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byA. Beier/Getty Images for FC Bayern
posted2016/05/06 15:00
ペップが最後にCL優勝を経験したのはバルサ時代の5年前。バイエルンでのビッグイヤー獲得は果たせなかった。
シメオネ「バイエルンが最も強かった」
試合後、国内リーグでバルセロナやレアル・マドリーと戦っているアトレティコのシメオネ監督はこう話してバイエルンを称えた。
「私が今まで対戦したチームで、バイエルンが最も強かった」
アトレティコが策を講じれば、今度はバイエルンがそれに対応する。バイエルンが前に出てきたところで、アトレティコがカウンターを決めた。
アトレティコが守備を固めてきたものの、バイエルンはそれを2度もこじ開けた。アウェーゴールの差でアトレティコが勝ったからという理由だけではなく、お互いが持てる力を発揮して、それが一定の成果を挙げていたという意味で、敗者のいない準決勝となった。
だからだろう、ペップは落ち着きを払って、こう語った。
「今日の戦いぶりについて、誇りに思う。今回のセカンドレグも、ユベントス戦も、(準々決勝の)ベンフィカ戦もファンタスティックなものだったんだ。もちろん、私はCL優勝のためにベストを尽くしてきた。ここ、ミュンヘンでの日々には幸せを感じているよ」
3年連続、準決勝でスペイン勢に敗れる。
とはいえ、2シーズン前にはレアル・マドリー、昨シーズンはバルセロナ、そして今季はアトレティコに敗れたことで、ペップが指揮をとったバイエルンが3年連続して準決勝でスペイン勢に敗れることになったという事実は重くのしかかる。
「私がバイエルンに何を残したのかわからない。ここに来た最初の日から、最後の日まで私は選手たちを助けるだけだ。ここまで私はベストを尽くしてきたし、悔いはない。タイトルというのは後になって表れる数字で、統計のようなものなんだ」
ペップはここまでのプロセスの大切さをそう説いた。
リーグではペップが来てからの3年間で全て優勝することが確実であり、とりわけ毎シーズンのようにドイツでバイエルン対策を講じられるなかで、その守備をやぶる術を与え続けたのは、特筆すべきことだ。