悲劇を招いたボアテンクのプレー。

　そして54分、試合の行方を左右する大きなゴールが生まれる。バイエルンの攻撃で、ボールがDFラインに戻ってくる。右のセンターバックのマルティネスからのボールを受けたボアテンクが、ドリブルで持ち上がる。そこで右サイドの裏へ出て行こうとしたリベリーへパス。これが悲劇を招く。

　ボアテンクのパスを読んでいたアトレティコのゴディンがそれを奪い、ダイレクトでガビへ。アロンソとボアテンクが慌ててガビにプレッシャーをかけにいくが、ガビは難なく後方のコケへ落とす。そこからグリエスマン、トーレスとつながり、再びグリエスマンにパスが出る。バイエルンの守備陣形は完全に崩れており、グリエスマンが冷静に蹴り込んで値千金のアウェーゴールを奪った。

　ボアテンクのリスクを冒し過ぎたプレーは、復帰してからまもない状態とは無縁ではなかったはずだ。

アラバの左サイドバックが機能し始めたが……。

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　スコアは1－1の同点ながら、アウェーゴールルールにより、バイエルンは勝ち上がるためには、さらに2点を奪わなくてはならない。

　それでも、74分、アロンソのサイドチェンジをリベリーが受けると、その外側をアラバがオーバーラップして、強引にクロスをあげる。ファーサイドに飛び込んだビダルがヘディングで折り返し、レバンドフスキが押し込み、1点差になった。

　ここにきて、アラバを左サイドバックにまわした成果も出たわけで、ボアテンク起用が誤りだったとも断言できないわけだが……。

　83分にはトーレスがエリアのわずか外でマルティネスに倒されるものの、判定はPKとなる。しかし、トーレスのPKはノイアーがブロックして、バイエルンは望みをつなぐ。しかし、ユベントスとの決勝トーナメント1回戦で活躍し、この試合で途中出場したコマンも含めて、バイエルンは最後に猛攻を続けたが、奇跡を2度は起こせず。

　結局この試合は2－1で勝利しながら、アウェーゴールの差で、バイエルンはアトレティコに敗れることになった。

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