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過去の“ブッフォン2世”とは違う!
ドンナルマはミラン唯一の希望。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2016/05/05 10:00

過去の“ブッフォン2世”とは違う!ドンナルマはミラン唯一の希望。<Number Web> photograph by AFLO

現在のミランでおそらく最も高額の移籍金がつくドンナルマだが、ベルルスコーニ会長は「売らない」と明言している。

プレシーズンからレアル戦に出場。

 ドンナルマは、1年目こそU-14年代のチームでプレーしていたが、2年目にあたる昨季には飛び級でU-17チームとプリマヴェーラ(=ユース)のゴールを守った。

 昨シーズン中の2月、GKが足らなくなったトップチームのインザーギ監督が、ユースチームへドンナルマ派遣を打診してきた。

 当時15歳だったドンナルマが、“大人たち”の世界であるセリエAの公式戦でベンチ入りするためには、「肉体的に支障なし」とするドクターの証明書を協会に提出しなければならなかった。リーグの特例だったが、快く送り出したのは現在の指揮官であるブロッキだ。

 前監督ミハイロビッチはドンナルマの潜在能力を高く買い、プレシーズン・ツアーで弱冠16歳のGKを積極的に登用した。

 同じ年頃の高校生たちが、海だ山だバイクだと遊び浮かれ騒いでいた去年の夏、ドンナルマは上海でレアル・マドリーとのPK戦を経験し、7万人が詰め掛けたアリアンツ・アレナのゴールマウスに立っていた。

開幕時、正GKはディエゴ・ロペスだった。

 今季が開幕したとき、ミランの正GKはタイトル経験も豊富なディエゴ・ロペスだった。

 ただし闘将ミハイロビッチは、6節ジェノア戦で拙速すぎるリスタートを繰り返したロペスを見限り、16歳のドンナルマに前半で突如アップを命じた。振り返ってみれば、この事件が、3試合後に待っていたサッスオーロ戦での最年少デビューの布石だった。

 196cmの恵まれたフィジカルに優れた敏捷性。間近で見ると、肩周りと背筋の盛り上がりは見事で、下半身の動きはしなやかだ。

 年齢に似つかわしくない冷静な判断力。反射神経も素晴らしい。

 ドンナルマが才能と長所にあふれた将来性抜群のGKであることに、疑問の余地は少ない。

 曲者代理人ライオラは、お得意の比喩を用いて「ジージョは(画家)アメデオ・モディリアーニの作品のようなもの。1億7千万ユーロの価値がある」と豪語する。

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