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「J2のサッカー」は確かに存在する。
セレッソをも変えた鉄の掟とは?
posted2016/04/26 10:30
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
J1へと駆け上がるためには、やはり「失点しない」ことがカギを握るのだろうか――。
多くのクラブが10試合に差しかかろうとしているところでのJ2リーグ戦の印象だ。例えば2012年以来となるJ2復帰を果たした町田ゼルビアが23日のV・ファーレン長崎戦に1-0で勝利。クラブ史上初のJ2首位に立った。
相馬直樹監督率いるチームは攻守に規律の高いプレーで8戦連続無敗を達成し、J2リーグ序盤戦の主役に躍り出ている。また第9節には'12年以来のJ1昇格を狙う北海道コンサドーレ札幌も、MF稲本潤一の決勝ゴールで首位を走っていたセレッソ大阪を1-0で下し、3位へと浮上している。
チームスタイル構築はそれぞれとはいえ、上位チームで数字の上で共通しているのは「失点数の少なさ」だ。開幕して1カ月強の時点で気が早いとはいえ、4月24日終了時点でのプレーオフ圏内の6位までの順位と失点数、得点数を並べてみる。6チームとも、試合数は9である。
1位 町田 4失点/11得点
2位 C大阪 5失点/11得点
3位 札幌 6失点/13得点
4位 松本 7失点/11得点
5位 岡山 9失点/12得点
6位 清水 7失点/10得点
得点力よりも守備力の方が物を言う。
全チーム得点数を2ケタに乗せているのと同時に、1試合平均失点が1点以下(試合数は9)となっている。失点を最小限にとどめているチームが、勝ち点を積み上げているのは7位以下のチームも同様だ。14日から続く熊本地方を中心とした地震のため、ロアッソ熊本(暫定11位)は第12節札幌戦までの試合延期が決まっている。それでも開幕戦から3試合はすべて1-0の『ウノゼロ勝利』を飾るなど、7試合で5失点と手堅い戦いぶりを演じていた。
また開幕3連敗を喫した横浜FC(6失点/13位)は5戦連続、昨季J1昇格プレーオフに出場した愛媛FC(7失点/12位)も4戦連続で負けなしと、守備が安定したことで持ち直している。