サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
経歴は長友佑都、タイプは内田篤人。
U-23・室屋成がリオへの道を切り開く。
posted2016/01/25 11:25
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
リオ五輪最終予選を戦うU-23日本代表の中、唯一の大学生でありながら玄人好みの渋い活躍を見せているのが、室屋成である。
これまでグループリーグでは北朝鮮戦、タイ戦の2試合、準々決勝のイラン戦にスタメン出場を果たした。イラン戦ではスピードのあるサイドアタッカーを相手に1対1の強さを発揮して抑えるだけではなく、延長戦前半5分に豊川雄太のゴールをアシストするなど、陰のMVP級の仕事をした。
室屋自身は、「イラン戦はミスも多く、自分的には良くなかった。アシストでチャラ」という試合だったが、2014年のアジア大会で大学生として唯一チームに選出されて以来、最終予選でも大事な試合で起用されるなど手倉森誠監督の信頼は絶大だ。
「大会前は中東遠征でも結果を残すことができなかった中、この大会を迎えることで多少不安があったんですけど、北朝鮮に勝てて自分もチームもやれるっていう自信を持てました。なんか、自分の中でスイッチが入った感じでしたね」
「相手がつよいとか言われると燃えます」
室屋のプレーで、とりわけ目を引くのは対人の強さだ。北朝鮮戦でもイラン戦でもサイドでの1対1の勝負ではほとんど負けていなかった。174cmと体は決して大きくはないが、体幹の強さを感じるプレーとスピードで相手に競り勝つ。また、ピッチ上のプレーからはまったく緊張しているように見えない。どうやらメンタルもかなり強そうだ。
「普段は緊張はしないですけど、イラン戦は1発勝負の最初で少し緊張しました。メンタルは……どうですかね。強いのかなぁ。相手がどうとか、自分がどうとかあまり深く考えていないので、それが逆に良かったりするかもしれないです。ただ、負けず嫌いですね。サイドハーフにいい選手がいる時や、相手が強いとか言われると燃えます。自分よりも相手が注目されている方が好きですし、その選手を抑えこんでやろうとモチベーションが上がるんです」
メンタルは規格外だが、スタミナも尋常ではない。グループリーグでは中2日、イラン戦も中2日でのハードな日程だが、室屋はまったく問題なかったという。
「大学では中1日で試合がつづくことがけっこうあるんです。ハードな日程での試合には慣れているし、体も覚えているので個人的には難しさはまったくないです。特別なリカバリー方法もないですね。食べて寝るだけです(笑)」