詳説日本野球研究BACK NUMBER
「育成の巨人」は復活するのか?
三軍の設立、そして独立Lの重視。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/01/12 10:40
山口鉄也は育成出身選手最高の成功例と言える。彼に続く選手は現れるのだろうか。
プロ野球界に新たな人材供給源が生まれる好循環。
独立リーグは、NPB入りをめざす選手の最後の砦と言っても過言ではない。過去11年間で独立リーグ出身で戦力になったのは内村と亀澤だけと成功の確率は低いが、野球界全体に目を配るのもNPBの役割である。そう考えると育成ドラフトで巨人が敢行した、独立リーグ主体の指名は味わい深い。
ソフトバンクは能力のある選手を指名して充実したファーム施設で鍛えて一軍に送り込み、巨人は基本的な考えは同じだが独立リーグを人材供給の中心に置くことで野球界全体に目を配ろうとする。育成ドラフトがスタートした'05年以前にくらべると、プロ野球界には新たな人材供給源が生まれ、それがチーム作りに異なった彩りを添えているような気がしてならない。