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「育成の巨人」は復活するのか?
三軍の設立、そして独立Lの重視。

posted2016/01/12 10:40

 
「育成の巨人」は復活するのか?三軍の設立、そして独立Lの重視。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

山口鉄也は育成出身選手最高の成功例と言える。彼に続く選手は現れるのだろうか。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Hideki Sugiyama

 昨年10月22日、巨人の公式サイトに「三軍の設置について」という次のような文章が掲載された。

「読売巨人軍は来季から、一軍、二軍のほかにもう1チーム育成選手を中心とした『三軍』を編成することになりましたのでお知らせします。

 三軍は育成選手を中心とし20~25名の規模になる見込みです。対戦相手は国内独立リーグ、大学、社会人などを予定しており、年間90試合程度の実戦経験の場を設け、若手選手の育成を図ることを目的としています。なお、現状イースタンリーグで取り組んでいるフューチャーズ戦は2015年並みの試合数を維持できるよう、選手とスタッフ派遣に努めます。三軍の監督、コーチ、スタッフなどの指導体制や試合日程などは今後調整し、決定後改めて発表致します」

 三軍設置についての宣言書といっていい。巨人は広島とともに育成ドラフト導入の功労者だが、実は三軍は設置されていなかった。それでも過去11年間に育成ドラフトで指名した人数は51人と最も多く、2番目に多いソフトバンクの42人を引き離している。三軍設置の素地は十分に備わっていたということである。

育成制度の成果が真っ先に現れた巨人。

 育成ドラフト出身で一軍の戦力になったのは、次の選手たちである。ちなみに、「戦力になった基準」は投手=50試合登板、10勝(1セーブ=0.5勝)、野手=100安打とした。

◇投手……山口鉄也(巨人)、山田大樹(ソフトバンク)、二保旭(ソフトバンク)、西野勇士(ロッテ)、国吉佑樹(DeNA)、千賀滉大(ソフトバンク)

◇野手……中村真人(楽天)、松本哲也(巨人)、内村賢介(楽天→DeNA)、岡田幸文(ロッテ)

 育成制度の成果が、真っ先に現れたのは巨人だ。'08、'09年の新人王に山口、松本が輝くと、その勢いを反映するように'10年の育成ドラフトでは歴代最多となる8人を指名。この頃は高校卒の坂本勇人、西村健太朗、東野峻もファームから飛び出しているので、マスコミは「育成の巨人」と書くことを躊躇せず、原辰徳監督の表情にも自信がみなぎっていた。

【次ページ】 巨人失速の陰で育成が加速したソフトバンク。

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