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天皇杯4強をめぐるジンクスと豆知識。
決勝最多敗戦の広島は今季がチャンス!?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/12/28 12:05
今年のベストヤングプレーヤーにも選ばれた広島の浅野拓磨。五輪予選へ向け、天皇杯でも好調さを維持できるか。
天皇杯を優勝してACLに出たい柏。
浦和の対戦相手となるのは柏。ベスト4の中で唯一、来季のACL出場権が決まっていない(浦和は柏が優勝した場合、プレーオフからの出場)。今年も含めて出場した3回すべてで決勝トーナメントに進出し、ACLで実力を発揮してきたチームだけに来年もアジアの舞台で戦う意欲は高いはずだ。
ちなみにACLで4強進出した'13年、出場権は前年度の天皇杯優勝で得たものだった。
■柏:第92回天皇杯での勝ち上がり
<2回戦> vs.柏U-18 3-0 レアンドロ・ドミンゲス2、澤
<3回戦> vs.湘南 2-1 田中、ネット・バイアーノ
<4回戦> vs.横河武蔵野 1-0 田中
<準々決勝> vs.大宮 3-2 澤、増嶋、工藤
<準決勝> vs.横浜FM 1-0 工藤
<決勝> vs.G大阪 1-0 渡部
この大会、初戦の相手は柏U-18で、世界的にも珍しい“兄弟対決”が実現した。当時の柏U-18で出場&ベンチ入りしていた選手で、今季トップチームに在籍しているのはDF中谷進之介、MF中川寛斗、秋野央樹、小林祐介、FW大島康樹と5人もいる。そのうち中谷、中川、秋野の3人は26日の準々決勝・仙台戦で先発出場、小林も今季のACLでプロ初ゴールを記録している。
退任直前の監督が優勝したケースは4回。
そんな充実した下部組織を築いた功労者で、今季トップチームを率いた吉田達磨監督は1年限りでの退任が決まっている。Jクラブが参加した'92年度以降、そのシーズンで退任する監督のもとで優勝したケースは以下の4例ある('98年度優勝の横浜Fは除く。カッコ内は翌年の去就)。
第76回('96年度):V川崎/レオン監督(→アトレチコ・ミネイロ監督就任)
第83回('03年度):磐田/柳下正明監督(→札幌監督就任)
第86回('06年度):浦和/ブッフバルト監督(→'07年6月ドイツ・アーヘン監督就任)
第91回('11年度):FC東京/大熊清監督(→FC東京テクニカルディレクター就任)
翌シーズンに国内別クラブの指揮を執ったのは柳下氏のみ。しかし2004シーズンの札幌はJ2に所属していた。一方で吉田監督は2016シーズン、柏と同じJ1に所属する新潟の指揮官に就任することが決まっている。
また、チームを去るのは吉田監督だけでない。仙台戦でFKのみのハットトリックを達成したクリスティアーノも、今季限りでの退団が決まっている。指揮官と点取り屋のふたりはチームに“置き土産”を残すことができるだろうか。