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今野泰幸の「運」が試されたCS決勝。
何が紙一重の明暗を分けたのか。
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2015/12/08 10:30

今野泰幸が日本屈指のボランチであることに疑いはない。しかし、今回彼に何かが足りなかったのも事実なのだ。
今野「昨年よりもチームは成長している」
「うーん、比較はできないけど、チームがずっといいってことはないから。今シーズンもずっといいってことはないし、悪い時はみんなでミーティングをしながら修正し、しぶとく戦ってきた。我慢のサッカーだったけど、その我慢が今も出来ているし、ここまでこれているんで昨年よりもチームは成長していると思います」
今野は、言葉を考えながらそう語った。
昨年もぶっちぎりでリーグ戦を優勝して3冠を達成したわけではない。ギリギリの戦いを勝ち抜き、ひとつずつタイトルを奪ってきた。今シーズンも粘り強くギリギリの戦いをしてきたが、タイトルは手に入っていない。
紙一重の差のように見えるが、今野とチームに突き付けられた現実は紙一重ではなく、非常に重く、厳しいものだった。果たして、今シーズン最後のタイトルである天皇杯を獲れるだろうか――。

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