決勝初戦、自らのミスで失った3点目の重さ。

　試合はそのまま1－1のドローに終わり、トータル（4－3）でガンバはチャンピオンシップ優勝とリーグ戦2連覇を逸し、今シーズン3つ目のタイトルを失った。そして今野自身は、先制ゴールこそ奪ったが、浅野の同点弾にも絡んでしまい、失った初戦を取り戻すことができなかった。

「広島はとことん人数をかけて守ってくるんで、最後まで崩せなかった。でも、（敗因は）初戦につきるかなと思います。僕らのホームで、2－2で終わらせることができれば、1－0の時点で余裕を持ってボールを回せたと思うし、相手が前に出て来ないといけない状況でカウンターが効いたと思う。初戦の、あの3点目が本当に効きました。チャンピオンシップで3点取ったけど、チームに迷惑をかけた。アウェイで挽回して優勝してやろうという気持ちがすごく強かったんで、それを達成できなかったことに責任をすごく感じています」

　ホームでの3失点目はただの1点ではなく、2戦目の戦いに影響を与えたのはもちろん、ガンバの選手に心理的に大きなプレッシャーを与える非常に重いゴールになった。初戦の敗戦を挽回して優勝しようと広島に乗り込んだが、いざ試合が始まるとその重みを改めて実感させられたのである。

ガンバに可能性が残るのは天皇杯のみ。

「チャンピオンシップを戦って、改めてひとつのミスが勝敗を分け、ちょっとしたことが最後に響いてくるんだなっていうのを感じた。サッカーの恐さというのをすごく感じたチャンピオンシップでした」

　初のチャンピオンシップは、数々のタイトルを獲得し、W杯を戦った経験豊富な今野に、改めてサッカーの恐さを知らしめた。今野にとっては苦い経験だが、サッカー選手として、また一歩成長させてくれる大会になったのだろう。

　今シーズン、ガンバが可能性を残すタイトルは天皇杯しかない。気になるのは、3冠を達成した昨年のチームよりも、その経験を踏まえて今季、チーム力が上がったかどうかだ。メンバーも戦い方もほとんど変わっていないが、今シーズンは結果が出ていないのだ。

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