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NBAでとんでもない記録が更新中!
王者ウォリアーズ、驚異の連勝記録。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byGetty Images
posted2015/12/04 15:00
右から、暫定HCのルーク・ウォルトン、ステフィン・カリー(30番)、ドレイモンド・グリーン(23番)、アンドレ・イグダーラ(9番)。
2カ月間の勝ち星ゼロなのに月間最優秀監督賞受賞!?
ルーク指揮の下、ウォリアーズは連勝街道まっしぐらですが、実はこの裏である珍記録が生まれていました。
長期離脱はしているものの、ウォリアーズのヘッドコーチは今でもスティーブ・カーです。ルーク・ウォルトンはあくまでも暫定ヘッドコーチなのでどんなに勝ち星を並べてもスティーブ・カーヘッドコーチの勝利数として記録されます。勝ち星についてはルーク本人も「なんとも思ってない。チームが勝っていることが大事」と言い、一方カーは「僕は何もしてない。ルークにあげるべき」と部下想いの発言をしていました。
NBAでは毎月(今回は2カ月分)月間最優秀選手、月間最優秀監督を発表します。
この最優秀監督選びが珍記録を作り上げました。
開幕から負けなしのウォリアーズを指揮しているルークが、当然10、11月の月間最優秀監督にふさわしいのではないかとささやかれ始めました。しかし、彼は記録上勝ち星ゼロのうえに、通常、暫定ヘッドコーチにはその賞の候補となる権利もありません。リーグ側は彼に勝ち星が付くようルール改正も検討しましたが、今回は最優秀監督候補となる権利だけが認められました。そしてルークは、満場一致で史上初の公式記録上勝ち星ゼロのまま、2カ月分の月間最優秀監督賞に輝いたのです。
過去の名将たちをも為し得なかった奇妙な記録。
名将フィル・ジャクソンもグレッグ・ポポビッチも、様々な記録を樹立し賞を獲得していますが、暫定ヘッドコーチのまま開幕連勝記録を作り、勝ち星無しで2カ月分の最優秀監督賞を受賞しているのはルーク・ウォルトンだけです。
ウォリアーズの連勝記録とともに、勝ち星よりも受賞数の方が多いというルークの珍記録がどこまで伸びるのか注目するのも面白いでしょう!