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代表でPK失敗、レスターでは控え……。
岡崎慎司が飛躍のために歩む苦境。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/11/23 10:30

代表でPK失敗、レスターでは控え……。岡崎慎司が飛躍のために歩む苦境。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

実戦で勘を養ってこそ輝く岡崎にとって今は苦しい時期だが、何度も苦境から復活してきた姿は印象に残っている。

めったに蹴らないPKキッカーに指名されたが……。

 試合では前半10分に決定機を迎えたが、シュートはブロックされてしまった。

 後半1分には柏木陽介がエリア内右サイドへ出したパスに反応して、頭でゴール前に折り返した。これに反応した香川真司が倒され、日本にPKが与えられた。

 そのボールを拾いに行ったのは岡崎だった。彼はめったにPKを蹴らない。マインツに所属していたときや、今年1月のアジアカップでPK戦になったときにも、すでに交代でベンチに下がっていた。キッカーを務めるのは、2011年に行なわれたアジアカップ準決勝・韓国戦以来のことだった。そんな選手がカンボジア戦でペナルティスポットにボールをセットしたのは、この試合のスタメンの中でキッカーを務めるのが岡崎だと監督から事前に指名されていたからだ。

 しかし、短く助走をとって放ったシュートは、コースが甘かった。相手のキーパーにキャッチされてしまった。

「主将として、オレがもっと点を獲れていれば」

 その後、後半6分の先制点の場面ではゴール前で競り合って、相手のオウンゴールを誘った。

 ただ現代表の中で最多試合出場とゴール数を記録する選手として考えれば、決して満足できる内容とは程遠かった。

 また、どのようにして勝つべきなのかについて、岡崎なりのキャプテン像を示せたわけではない。後半41分、南野拓実との交代でベンチに下がった。岡崎の交代でセンターフォワードの位置に入ったのは、それまで右FWを務めていた本田だった。

 普段から言い訳をしない岡崎だが、カンボジアとの試合を終えると、そこで味わったいくつもの悔しさを挙げた。

「単純にまず、ゴールが決められなかったということ。もちろん、PKを止められた悔しさもある。あとはキャプテンとして、一番多く試合に出ている身として、若いチームを引っ張れなかったこと。オレがもっと点を獲れていれば、(戦い方も)変わったと思うので」

【次ページ】 スタメン落ちを「発奮材料」とするために。

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岡崎慎司
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