サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
代表でPK失敗、レスターでは控え……。
岡崎慎司が飛躍のために歩む苦境。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/11/23 10:30
実戦で勘を養ってこそ輝く岡崎にとって今は苦しい時期だが、何度も苦境から復活してきた姿は印象に残っている。
「W杯で活躍できる選手になることを目指す」
同じところにいれば居心地は良いが、進化できない。だからリスクを負ってでも、一歩踏み出した。すぐに成果は得られなくとも、いつか必ず。確固たる考えがあるからこそ、岡崎の今の状況が好ましいものではなくとも、悲壮感とは無縁なのだ。むしろ、そうやってリスクを負って前に進もうとする姿は、ストライカーそのものだ。相手のカウンターを受けるのを恐れて、シュートをためらうストライカーには価値も魅力もない。
多くの選手が目標や夢の舞台と評するW杯についても、こんな風にとらえている。
「W杯は大事な大会ですけど、僕にとってはもうW杯は出られるかどうかを考える大会ではない。リスクを冒してでも環境を変えたのは、(格上のチームとの対戦が多い)W杯で活躍できる選手になることを目指すため。もう、そういう選手になれないで消えるんだったら消えるだけ。でも、もし覚醒すればもう1個先が見えるんじゃないか、そんな気持ちでやっています」
大きく跳ぶために、一度、身をかがめる。岡崎の今の苦境は、飛躍のための準備期間ではないのか。そう感じさせる。彼は確固たる信念をもって、自らの歩む道を見ているからなのだ。