プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミア・マネーは冬に誰を狙うか。
ロナウド、メッシという超超一流も!?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2015/11/22 10:30
渦中のロナウドは、ウインガーからストライカーに徐々にスタイルをチェンジする真っ最中だ。
シティはグアルディオラ招聘が先決か。
最も興味深いターゲットは、獲得候補と言われて久しいエディンソン・カバーニ(PSG)だ。ジエゴ獲得に至った昨夏にも、よりチェルシー向きの新1トップ候補と言われていた。敵に威圧感を与えるフィジカル、カウンターでも武器となるスピード、攻守に頼もしい空中戦の強さという全盛期のディディエ・ドログバを思わせる魅力に、後方支援をこなすハードワークもあるカバーニは、モウリーニョ向きのセンターFWだとも言える。
その指揮官の進退は微妙だが、昨夏にジエゴよりもカバーニの獲得を望んでいたのはクラブを牛耳る強権オーナー。買えるとなれば移籍金が4000万ポンド弱(約74億円)まで跳ね上がっても、今度こそ買うのではないだろうか?
監督交代の可能性は、12節を首位で終えたマンチェスター・シティにも当てはまる。マヌエル・ペジェグリーニが今夏に結んだ新契約は、指揮官の去就が騒がれてチームの士気に悪影響を及ぼす事態を避けるための措置にすぎないと理解されている。来夏のペップ・グアルディオラ(バイエルン)招聘は口頭ベースで約束済みとも言われ、移籍の噂が比較的少ないのは、グアルディオラを監督に迎えれば大物新戦力もついて来るという余裕の表れとも受け取れる。
もっとも、プレミア王座奪回とCL決勝進出の両立でもなければ続投が望み薄なペジェグリーニは、戦力拡充を進めたいところだ。今夏の獲得が先送りされたポール・ポグバ(ユベントス)には最低でも7000万ポンド台(約130億円)の移籍金を要するが、それだけの価値を直接対決で思い知らされてもいる。ホームで黒星発進となった9月のCL初戦、僅差のようで実は敵に思惑通りの試合運びをされたユベントス戦(1-2)で、強さ、速さ、巧さの三拍子揃ったパフォーマンスで中盤を支配していたのがポグバだった。
アーセナルはベンゼマが噂の大物。
一方、アーセナルではアーセン・ベンゲル監督の長期政権継続の見通しが強まっている。CLではバイエルンに惨敗(1-5)して苦境に立たされているが、優勝を最も意識しているはずのプレミアでは、マンCと首位争いを展開中だ。結果として、冬の積極補強を求めるファンの声が近年では最も小さい11月を迎えている。
しかし、11月の段階で主力7名という故障者の多さは例年通りで、ベンゲルも「心配だ」と発言している。ストライカー起用が奏功していたセオ・ウォルコットが離脱した最前線では、今夏に続いてカリム・ベンゼマ(R・マドリー)が噂の大物。故障者がなくともフランシス・コクランへの依存度が高いボランチには、移籍金3700万ポンド(約69億円)で、まだビッグクラブの配下にはないビッグネーム候補生と言えるウィリアム・カルバーリョ(スポルティング)の獲得が噂されている。