プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミア・マネーは冬に誰を狙うか。
ロナウド、メッシという超超一流も!?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2015/11/22 10:30
渦中のロナウドは、ウインガーからストライカーに徐々にスタイルをチェンジする真っ最中だ。
リバプールは大物よりもジェラード復帰?
クロップ就任から月日が浅いリバプールは、まずは既存戦力のトライアルが優先なのだろう。今冬の補強対象は、純粋なウィンガーが19歳のジョードン・アイブしかいないアウトサイド要員と思われ、クリスティアン・テージョ(ポルト)、リッカルド・サポナーラ(エンポリ)といった、移籍金2000万ポンド(約37億円)以下の名前が現実的な獲得候補として挙がっている。その倍額以上で、クロップの古巣ドルトムントからのマルコ・ロイス引抜きも噂されるが、同じく興味をそそられるのがスティーブン・ジェラードとリバプールの再会だ。
昨季までのリバプール主将には、LAギャラクシーでの1シーズン目が終了するや否や今冬の「帰還説」が流れた。実際にはMLSシーズンオフ中の12月から調整目的の練習参加で、指揮官は戦力としての短期レンタル獲得を「考えられない」としてもいる。だが大手ブックメイカー(賭け屋)の意見調査によれば、ファンの65%がジェラードとの再契約を支持。プレミアでは2012年に、やはりMLSのオフ中にティエリ・アンリが2カ月間のレンタルでアーセナル復帰を果たした例もある。
同じ30代半ばでも、明らかにピークを過ぎていたアンリとは違い、ジェラードは米国に去った今夏の時点で、あと2年はリバプールで通用すると言われていた。若いチームのマイボール時の焦りや詰めの甘さを指摘している新監督が、貴重なノウハウの持ち主を中盤中央に欲していることは、ジェラードよりも1歳だけ若いシャビ・アロンソを、バイエルンとの契約が満了する来夏にリバプールに呼び戻す意向を持っていることからも理解できる。
最大の注目を集めるロナウドとベイルの復帰説。
だがカムバックが最も注目されるのは、来夏にマンチェスター・ユナイテッドが狙うレアル所属の大物アタッカー2名だ。1人は7年ぶりのマンU帰還となるクリスティアーノ・ロナウド。もう1人は3年ぶりのプレミア復帰となるギャレス・ベイル。
識者間では、元マンUの解説者ギャリー・ネビルをはじめ、ベイル獲得を選ぶべきとする意見が優勢だ。今季開幕前に26歳になったばかりの年齢と、レアルでのリーグ戦通算64試合出場30ゴール25アシストという周囲も生かせる魅力を考えれば妥当な意見ではある。
しかし、乱暴な言い方になるがベイルはロナウドではない。もちろん並大抵のことではないのだが、ベイルがロナウドのレベルには達しないと判断したからこそ、レアルは在籍3年で放出を厭わない構えを見せるようになったと考えられる。