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南野拓実はサプライズではない!
スーパーとごっつぁん、2つの“形”。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2015/10/03 10:40

南野拓実はサプライズではない!スーパーとごっつぁん、2つの“形”。<Number Web> photograph by AFLO

ハリルホジッチから「数年後」を期待された南野だが、おそらく本人に待つ気などないはずだ。

ヨーロッパでは、沈黙は悪である。

 ヨーロッパでは沈黙は悪だ。黙っている選手の内に秘めた闘志を評価してくれる者などいない。

 オレを使って欲しい。活躍する自信だってある。

 ウォーミングアップエリアに走りだしたのは、南野なりの無言のアピールだった。

 20歳の青年が垣間見せる弱々しさなど、みじんもない。もう何年もヨーロッパで生存競争を続けてきたベテラン選手が見せるような、たくましさを南野は兼ね備えている。

 たくましさは見せた。今度は、与えられたチャンスで自らの能力を証明しないといけない。

 マルメ戦の3日後に行なわれたリーグ戦でも、南野の出番はなかった。チームはこの試合にも引き分け、3試合を終えた時点で1分2敗で、7位に沈んでいた。2年連続でリーグとカップの国内2冠を達成していたチームを今季から引き継いだツァイドラー監督も、厳しい批判にさらされていた。

初スタメン試合で2ゴールを決める完璧な準備。

 南野がスタメンに抜擢されたのは、そんなタイミングだった。

「練習からもしっかりやっていたし、チャンスが来たら絶対に(力を)出せるという自信は持っていたんです」

 続くリエトとのリーグ戦で今季はじめてスタメンとして送り出された南野は、右MFとして試合序盤からチャンスをつかむ。前半10分、左サイドからのCKを相手がクリアミスをしたのを見逃さず、エリア内にいた南野はダイレクトで左足を振り抜いて今季のリーグ戦初ゴールを決めた。

 圧巻は38分だった。ペナルティーエリアの5mほど手前で受けると、1タッチしてボールに勢いをつけ、思い切りよく右足を振り抜いた。ゴール左隅につきささるスーパーゴールだった。日本代表のMFをみまわしても、GKも触れないような軌道のミドルシュートを放てるのは本田圭佑くらいしかいない。

【次ページ】 「負けず嫌いの気持ち。ホンマにそれだけ」

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