サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
南野拓実はサプライズではない!
スーパーとごっつぁん、2つの“形”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2015/10/03 10:40
ハリルホジッチから「数年後」を期待された南野だが、おそらく本人に待つ気などないはずだ。
主力が変わらない代表に、南野が新風を。
そして――。
9月12日に行なわれたグレーディヒ戦、南野はまたもや1試合で2ゴールをマークした。この試合には日本からやってきた両親の他に、ある人物がレッドブル・アレーナのスタンドで南野をプレーを見守っていた。リオデジャジャネイロ五輪を目指す代表チームの監督であり、A代表のコーチも務めている手倉森誠である。
ハリルホジッチ監督が常に南野の動向を追っていたことを明かしたように、たかが1試合で大きく評価が変わることはない。それでも、A代表のコーチの前で彼は2ゴールを叩き込んだ。結果が求められるときに、今季の彼はゴールを決めてきた。
他の選手にはないシュートレンジの広さも、ゴールを求めるどん欲な姿勢も、引いてきた相手との試合が続くロシアW杯のアジア予選を戦う日本代表にとって大きな武器になるのは間違いない。あるいは、本人が「なんとなくわかってきた」と語る、相手から独力でボールを奪う守備の能力もある。
ただ、それ以上に彼が見せる負けん気の強さと、大事な試合でしっかりとゴールを決めるハートの強さ。そこにこそ、金の価値がある。
もう何年も主力が変わらない。そんな批判を受ける現在の日本代表に新たな風を吹き込むのが、南野となったとしても驚くことはないのだ。