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山田哲人、川端慎吾、そしてパ勢。
数字で見る彼らの積極性と攻撃性。

posted2015/10/01 10:30

 
山田哲人、川端慎吾、そしてパ勢。数字で見る彼らの積極性と攻撃性。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ヤクルトの中では、ボールを「見る」タイプの山田哲人。CSでも彼のバットがチームの命運を握っている。

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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Hideki Sugiyama

 9月26、27日に行われたセ・リーグの頂上決戦、巨人対ヤクルト戦が面白かった。

 ヤクルトが勝てば優勝マジック3が点灯する26日は4-3で巨人が意地をみせ、1ゲーム差に迫った27日はヤクルトが2-1で接戦をものにし、残り5試合にしてようやくマジック3を点灯させた。

 26日の試合は、ヤクルト打線が優勝のプレッシャーでガチガチになっていた。

 というのは各打者のストライクの見逃しが非常に多かったのだ。数字が確定している交流戦の公式スコアをもとに話を続けると、ヤクルトの交流戦18試合中、最もストライクの見逃しが多かったのは6月4日の楽天戦の36個で、見逃し率(全投球の中で、ストライクを見逃した割合)は20.8%。見逃し率だけなら6月11日のオリックス戦はさらに高く22.2%だった。

ヤクルトのストライク見逃し率は異常な数値だった。

 見逃しが多いと負ける、というほど単純な話ではないが、たとえば交流戦でヤクルトの見逃し率が20%を超えたのは4試合しかない。それほど少ない20%超えが、9月26日の巨人戦は序盤の3回を終えた時点で24.6%(69球中見逃しは17球)にも及んだ。これは普通の数ではない。

 私の統計によると、見逃し率は15%未満が「低め」、15~18%台が「普通」、19%超えが「高め」である。

 1回表に山田哲人が3ランを放ち、その後も畠山和洋の二塁打、雄平の内野安打などで1死満塁のチャンスを作るが、8、9番が凡退して追加点を取れなかった。私が注目したのは畠山が二塁打を打ったあとの見逃しの多さで、バレンティン、大引啓次、中村悠平、石山泰稚が1つずつ見逃している。

 その後も、ヤクルト打線の見逃し率は4~6回も23.1%と高めで推移し、7~9回こそ11.8%と低くなるが、全イニング通しては21.3%だった。対する巨人は13.6%で、好球必打が目立った。スコアは巨人の4-3という僅少差でも、各打者の思い切りのよさという点では大きな差があったのだ。

【次ページ】 27日の中盤、ヤクルトが急に攻撃的に。

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