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9月のセ・リーグ、沈むのはどこだ。
数字が物語る、巨人&阪神の危機。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNanae Suzuki
posted2015/09/18 10:30
僅差ながら首位に立つヤクルト。今年正捕手に定着した中村悠平にとっては、もちろん初めての本格的な優勝争いとなる。
DeNA、中日との対戦を取りこぼさないこと。
もうひとつ、抜け出すためには対戦相手に恵まれることも重要である。つまり、DeNAと中日との対戦カードをどれだけ残しているかがポイントとなるわけだ(逆に、そこで取りこぼしをした場合は、メンタル、ムード的に痛手となる)。
それぞれのチームが9月にどれだけ下位2球団とのカードがあるか調べてみた。
ヤクルト 11試合中2試合(DeNA1 中日1)
阪神 12試合中4試合(DeNA3 中日1)
巨人 10試合中2試合(DeNA2)
広島 12試合中5試合(DeNA3 中日2)
単純にみれば、広島と阪神が有利だ。
ヤクルトは9試合、巨人は8試合をライバル3球団と戦わなければならず、星のつぶし合いが予想される。
ただし、広島と阪神は18日金曜日から12連戦を戦わなければならず、日程的なハンディキャップがある。それがどう影響するか。
広島の場合は黒田、ジョンソン、前田の柱については、中4日の「男気登板」があるかもしれない(12連戦を3人で回すというわけではないよ)。
22、23日、28日の巨人阪神戦はまさに天王山。
これらの指標を参考にするならば、私はヤクルトと広島がシルバーウィークに抜け出す可能性が高いと見る。
落ちるのは、阪神か、巨人のいずれかの公算が強い――。
日程面では巨人が楽。22日から27日までは東京ドームで戦えるからだ。12連戦の阪神は、和田監督のマネージメントの真価が問われる。
22日、23日は東京ドームで2試合、そして28日には甲子園での試合が組まれている。
まさに「天王山」となりそうだ。