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昨年と様変わりしたミラノ・ダービー。
両雄は上昇気配、本田&長友は逆風。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/09/15 10:50

昨年と様変わりしたミラノ・ダービー。両雄は上昇気配、本田&長友は逆風。<Number Web> photograph by Getty Images

3試合を終えて全勝のインテルが首位、ミランは1勝2敗の12位。プレシーズン好調だった本田圭佑はそのフィーリングを取り戻せるか。

女性司会者にキレかけて反論。

 ただ、地元TV局中継番組の女性司会者による「なぜ最初に交代させたのが、本田ではなくバッカだったのですか?」という質問にはキレかけた。

 経験ある同業者からの指摘ならまだしも、ピンヒールを履いた司会者に采配を疑問視されるのは我慢ならない。“外野は口出しするな”と言わんばかりの強面ぶりこそ、ミハイロビッチ流の真骨頂だ。

「(決定権を持つ)監督業は私の仕事で、貴女の仕事はTVの司会者だろう?」

 攻めのオプションが限られる点や中盤のローテーションの脆さなど、ダービーで見えた課題を克服することができれば、ミランにも上位進出のポテンシャルはある。ただし、それには選手たちが萎縮することなく、新指揮官の苛烈なメソッドについていく心構えが必要になってくるだろう。

インテルとミランが復活の気配を見せたダービーに。

 試合後の本田に確認したい点がいくつかあった。

 今のミランに、“ミハイズム”はどれぐらい浸透しているのか。

 攻撃の手詰まり感をどう打開していくつもりなのか――。

 ミランの公式スーツをパリッと着こなしてミックスゾーンに姿を現した本田は、歩みを止めることなく、報道陣を一顧し「お疲れさまです」とだけ言って、その場を通り過ぎた。

 彼は試合の後も、ダービーのテンションを発散していた。

 ミラニスタにとっては悔しい結果になったが、サンシーロには、好ゲームを制したインテリスタたちの高揚と歓喜が充満していた。

 凡戦そのものだった5カ月前のダービーとは、試合後の余韻がまったくちがう。ダービーが変わり、インテルとミランが変わった。

 王者ユベントスが足踏みを続ける今、豹変したインテルと挽回を期すミランが、今シーズンを面白くしそうな気がする。

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