セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
昨年と様変わりしたミラノ・ダービー。
両雄は上昇気配、本田&長友は逆風。
posted2015/09/15 10:50
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
ミラノ・ダービーの舞台である「ジュゼッペ・メアッツァ」への行き方が、今季から変わった。
新設された地下鉄M5線の終点「San Siro Stadio」駅が新たな最寄り駅だ。ピレリのロゴ入りユニフォームに身を包んだ若者グループや、年季の入った赤黒のマフラーと杖を抱えた年配のミラニスタに混じって地下鉄に揺られた後、地上の出口ゲートをくぐれば、目の前には“カルチョ界のオペラ座”が悠然とそびえ立っている。
すっかり秋模様の薄曇りの空の下、8万の満員で埋まったサンシーロに、「ケイスケ・ホンダ」と「ユート・ナガトモ」の名がコールされた。
ミランMF本田圭佑は、移籍後4度目となるミラノ・ダービーに、初めてスタメンとして臨んだ。一方、インテルのDF長友佑都は、キックオフの瞬間、ベンチに腰を下ろしていた。
本田は、フィオレンティーナとの開幕戦同様、L・アドリアーノとバッカの2トップを仰ぐ、4-3-1-2のトップ下に入った。
技巧派MFモントリーボをアンカー役に置いたミラン指揮官ミハイロビッチの采配は当たり、中盤の底から本田へすぐにボールを渡す流れができたが、試合の序盤は、双方の2トップが積極的に仕掛けた。
本田は代表戦の疲れが残っていたか……。
3分にミランFWバッカが敵陣で奪ったボールをL・アドリアーノがGKと一対一に持ち込めば、その2分後、インテルFWヨベティッチのシュートが、ミランゴールを襲った。開幕2戦で3ゴールを挙げ、新たなチームの顔となったインテルの新10番ヨベティッチは、FWイカルディと呼吸の合ったところを見せつつ、39分にも惜しい対角線シュートを放った。
本田もやられっ放しではなかった。
15分にペナルティエリア手前でのターンから、31分には右サイドでパスを受けた後のドリブルキープから、それぞれインテルゴールを狙う。
しかし、直前の日本代表連戦の疲れが残っていたのか、42分にせっかく攻め込もうとした敵陣で、本田はボールロスト。取り返そうと焦った末、ボールホルダーだったヨベティッチの両足をすくうタックルで、イエローカードをもらってしまう。