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昨年と様変わりしたミラノ・ダービー。
両雄は上昇気配、本田&長友は逆風。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/09/15 10:50

昨年と様変わりしたミラノ・ダービー。両雄は上昇気配、本田&長友は逆風。<Number Web> photograph by Getty Images

3試合を終えて全勝のインテルが首位、ミランは1勝2敗の12位。プレシーズン好調だった本田圭佑はそのフィーリングを取り戻せるか。

インテルの1億ユーロの補強が火を噴く!

 後半に入り、粘り強いボールキープから攻撃を組み立てようとする本田とミランだったが、この夏の移籍市場で総額1億ユーロ以上をかけて戦力を一新したインテルが、時間の経過とともに、その強大なポテンシャルの片鱗をのぞかせ始めた。

 55分には、マンチーニ監督が「今夏最大の補強」と自画自賛するFWペリシッチが左サイドを破り、ミランゴール前へ絶好のクロスを上げ、あわやの好機を作り出した。

 右サイドの速攻から、MFグアリンがミランゴール左隅へ低い対角線シュートを突き刺したのは、それから4分後のことだった。

 ミラン守備陣の意識は、昨季の得点王イカルディと好調ヨベティッチによる2トップとトップ下のペリシッチに、どうしても偏る。この夜、インテル4人目のシューターだったグアリンへのマークは疎かになっていた。再三、神がかり的セーブを連発してきたGKディエゴ・ロペスも、ついに陥落するしかなかった。

バロテッリはブーイングに耐えて……。

 追いつくためにミハイロビッチが最初に切ったカードは、リバプールからセリエAへ帰ってきた問題児FWバロテッリだった。バロテッリへ向けて耳をつんざくばかりの大ブーイングが始まった頃、後半はまだ30分弱残っていた。

 運動量の落ちた本田との交代が妥当かと思われた場面で、指揮官は意外にもFWバッカとの交代を命じた。

 インテルMFフェリペ・メロから再三挑発を受けたバロテッリだが、自制心を保ち何度か古巣の守護神ハンダノビッチを脅かした。77分に放った一撃は、インテルゴールの左ポスト根元で弾けた。

 80分、MFボナベントゥーラが敵陣の左サイド最深部へ出したパスに、本田は追いつけなかった。10番の足は止まっていた。

 L・アドリアーノへのパスは封じられ、モントリーボのパス精度が落ちる。中盤のプレーが雑になった後半のミランにも得点機はあったが、それはほとんどバロテッリの個人技の産物だった。

【次ページ】 5カ月前のスタメンが4人しかいないインテル。

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