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ドラフト1位候補、高校生はこの5人!
大学生、社会人も数年は豊作決定?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/09/04 10:30
高校生で1位指名の可能性が高いとも言われる県岐阜商の高橋純平。
大学球界注目の的は高山俊の通算安打記録。
高校日本代表との壮行試合で目立った大学生は、田中正義をはじめとする3年生が多かったが、その中で4年生の意地を見せたのが高山と吉田の2人の外野手。6番高山は2回表、左腕、小笠原の144キロのストレートを難なくセンター前にヒットを放ち、4番吉田は5回と7回に2打席連続ホームランを放ち、高校生とのキャリアの違いを見せつけた。
173センチの吉田に対して高山は181センチと上背で上回るが、打者としてのタイプはチャンスメーカーの高山に対して吉田はポイントゲッターと異なる。
ちなみに、高山が4年春までに積み上げた東京六大学リーグでの通算安打は117。高田繁(元明治大)が持つリーグ記録、127安打に何週目で追いつくか、興味は記録のクリアではなく、達成時期に集まっている。
高山、吉田以外の大学生は即戦力候補の投手が揃う。多和田真三郎(富士大・投手)、熊原健人(仙台大)の東北勢の右腕に対抗するのは東京六大学リーグ、東都大学リーグの顔とも言える上原健太(明治大)、今永昇太(駒澤大)の本格派左腕。
ただ、多和田、上原、今永は春のリーグ戦で故障や不調で持ち味を発揮できなかった。その間隙を突いてスカウトの注目を集めたのが関西を代表する本格派、岡田明丈(大阪商業大)である。
リリーフした大学選手権の準々決勝、神奈川大戦ではストレートが最速152キロを計測し、130キロ台のフォークボールとの緩急は強烈の一言。タイブレークの10回に連続タイムリーを打たれ準決勝進出はならなかったが、スカウトの評価は二重丸。これくらい凄い選手はプロでやってほしい。
都市対抗の西高東低現象を招いた本格派投手たち。
都市対抗以前の社会人球界は、関東勢に勢いがあった。それが都市対抗では記録的な西高東低現象に見舞われ、関東と関西の立ち位置があっという間に入れ替わった印象が強い。
都市対抗前までは小野和博(富士重工業)、猿川拓朗(日立製作所)、加藤雅人(JFE東日本)、横山弘樹(NTT東日本)、関谷亮太(JR東日本)という各投手に注目していたが、都市対抗で目を奪われたのは近藤均(王子)、上杉芳貴(トヨタ自動車)、角屋龍太(ジェイプロジェクト)、近藤大亮(パナソニック)の4投手。
近藤均はスライダー、カットボール、スプリットを主体にしながらたまにくるストレートがボリューム感たっぷりで、都市対抗1回戦のセガサミー戦での最速は146キロ。強豪セガサミーを4安打、完封したことだけを見ても、その投球術の巧みさがわかっていただけると思う。