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広島・大瀬良の初白星に隠された、
優勝した24年前との奇妙な一致。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNanae Suzuki
posted2015/05/28 11:00
5月13日の巨人戦でも7回5安打1失点と、勝利はならなかったものの復調の手がかりはつかみつつある大瀬良大地。
24年前の記憶が、石井コーチの脳裏に残っていたのか?
試合後、石井はブログで「野球をやっている人なら誰でも知ってる当たり前のルール」と綴ったが、もしかすると1991年6月5日の記憶が脳裏に残っていたのかもしれない。カープが優勝した最後のシーズンだ。
同じく9回裏の1死満塁。大洋(当時)の清水義之が打ち上げたインフィールド・フライを、広島の捕手・達川光男は併殺狙いで、意図的に落として本塁を踏み、三塁走者の山崎賢一にタッチはせずに一塁へ送球。しかしホームインが認められて、カープはサヨナラ負け。奇しくもスコアは今季と同じ3-2だった。
当時、石井琢朗は大洋の投手で、登録も本名の忠徳。その日ベンチ入りしていたか定かではないが、インフィールド・フライとは何か、改めて胸に刻み込んだであろうことは想像に難くない。
カープ特集号の発売直後から、ネットでは「なぜ今さらカープ?」との声も挙がっている。だが、現時点で最下位であることに何の意味があろう。『仁義なき戦い』の広能昌三は、抗争の口火を切るシーンでこう言っていたではないか。「弾ぁ、まだ残っとるがよう」。今さらではない、若鯉たちの覚醒は、今からなのだ。
石井コーチは、初勝利をあげた大瀬良に今までにない変化を感じていた。
その陰にあったのは、あの男が見せた本当の覚悟だった。
ここからチームは6連勝、「背番号15」の精神は確実に根付きつつある。
いよいよ、24年ぶりの優勝に向けたカープの攻勢がはじまる。
本編「『背番号15』が覚醒させた若鯉たち」は、Number878号でお読みください。
その陰にあったのは、あの男が見せた本当の覚悟だった。
ここからチームは6連勝、「背番号15」の精神は確実に根付きつつある。
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