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いよいよ2015年MotoGP開幕。
マルケスの独走を止めるのは誰だ?
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2015/04/01 10:30
前列左からヤマハのロレンソとロッシ、ホンダのマルケスとペドロサ、ドゥカティのドビツィオーゾとイアンノーネ。彼らワークス勢が、今季はどんな戦いを見せるだろうか。
ホンダとヤマハが戦う「ハンディ戦」。
そうしたことに加えて、現在のMotoGPクラスは、「ファクトリー」と「オープン」という、ふたつのカテゴリーがひとつのチャンピオンシップを競っている。
「ファクトリー」はバイクメーカーのワークスチームに適用されるもので、エンジンの開発が禁止され、シーズン中に使用できるエンジンの数も5基と厳しい制限がある。燃料タンクも20リットル。
対して「オープン」にはエンジンの開発禁止は適用されず、使用できるエンジンも12基、燃料タンクも24リットルと、ファクトリーに比べるとまさに“やりたい放題”の大きなハンディキャップが与えられる。
これは、ワークスチームとプライベートチームの差をなくそうという発想で生まれたルールだが、昨年出来た新ルールでは、'13年のシーズンで優勝していないワークスチームと、それ以降に新規参入するワークスチームは「オープン」の条件で戦える、ということになった。
ファクトリーで戦えるのは1社4台までという規制があるので、つまりホンダとヤマハの8台のワークスマシンは、ドゥカティ、スズキ、アプリリアのワークスマシンを含む「オープン」勢と戦わなければならないことになった。その中でドゥカティは、そのハンディキャップを最大限に利用して優勝戦線に浮上してきたというわけだ。
カタール初日のフリー走行の結果は……?
昨年、ドゥカティが、ホンダとヤマハの「ファクトリー」との差を縮めてきたときに、マルケスとロッシは異口同音に「不公平だとは思うけれど、レースが盛り上がるのならいいんじゃないか」とコメントしていた。
そしてホンダとヤマハには「ハンディキャップを与えても負けない」という自信があったのだろう。だからこそ、こんなルールが生まれたのだろうが、果たして、今年はどんな戦いになるのだろうか? と思うのだ。
実を言うと、この原稿の締め切りを1日遅らせてもらったお陰で、カタールGPの初日のフリー走行の結果を知ることになる。注目のリザルトは、マルケスとペドロサのホンダ・ワークスが1、2で、4年ぶりに復帰のスズキのA・エスパルガロ(オープン)が3番手、4番手にロレンソ……。ロッシは9番手。注目のドゥカティ・ワークスは、ドビツィオーゾが7番手、イアンノーネが10番手という結果だった。
果たして、この結果が、今大会と今シーズンを占うことになるのだろうか。