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いよいよ2015年MotoGP開幕。
マルケスの独走を止めるのは誰だ?
posted2015/04/01 10:30
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
3月26日、中東の国カタールで2015年ロードレース世界選手権が開幕した。
カタールGPは、ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで2004年に始まり、今年で12回目。'07年からは開幕戦の舞台となり、'08年には史上初のナイトレースが行なわれた。以来、カタールGPはナイトレースで行なわれている。
カタールGPがナイトレースになったそもそもの理由は、選手たちが悲鳴をあげた暑さ対策のためだった。初開催となった'04年と翌'05年は、日中の気温が40℃を超える9月、10月に開催され、ライダーにも観客にも苛酷な条件となった。
炎天下のコースサイドで仕事をする報道関係者やスタッフの水分補給のために、ペットボトルを配送するクルマがサービスロードを巡回していた。走っている選手たちは、エンジンという熱の固まりの上で、時速300kmを超えても一向に涼しくならない熱風に晒された。
そこで涼しくなる夜にレースをやってはどうか、という案が持ち上がり、金満国カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットは、約1000本の照明灯を立ててナイトレースの実現に動き出した。
史上初のナイトレースを実現させたカタール。
しかしその後、皮肉なことにカタールGPは春先へとカレンダーが変更される。
この時期のドーハは、日中の最高気温が25℃前後、夜になると20℃を切ることも多い。つまり、暑さ対策としてナイトレースをしようとしたアイデアは、この時点で消滅することになったのだ。
ところが隣国バーレーンでは、'04年にF1グランプリがスタートしていた。そして、ナイトレースの構想が持ち上がっていたことから、カタールとしては“史上初のナイトレース”をなんとしても先に実現させたかった。
その思惑が実り、'08年に世界中の注目を集める中でナイトレースが実現。バーレーンは、'14年になってからやっとナイトレースを実現させることになった。
そういった歴史のあるカタールGPだが、過去2年はホンダ・ワークスのマルク・マルケスが話題をさらっている。