錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
日本代表選手としての錦織圭に注目!
デ杯で日の丸を背負う戦いが、始まる。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2015/02/27 15:20
左から錦織圭、ダニエル太郎、内山靖崇、添田豪、伊藤竜馬、植田実監督。2014年のデ杯、チェコ戦での試合後の風景。怪我で欠場となった錦織も、チームの応援に駆けつけていた。
'13年全米OP後のスランプを癒やした、デ杯の仲間達。
全米オープンの敗因として「気持ちが上がってこなかった。試合をするモチベーションが薄れている」と心配なことを口にしていた錦織だったが、1年ぶりのデ杯で仲間とともに、ホームの暖かいファンの前でシングルス2勝。
「デ杯ではほぼ強制的に気持ちが奮い立たせられる。これをきっかけに調子を取り戻したいと思っていた」
との言葉通り、あのスランプが長引かなかったのは、この〈強制的〉な奮起というファクターが大きかったのではないだろうか。
その年の終わりにはマイケル・チャンをコーチに迎える決断をし、全豪オープンでラファエル・ナダル相手に大きな手応えを得るのはわずか4カ月先のことだ。
日本テニスは錦織に救われ、錦織はデ杯の中でメンタルを逞しくしてきた。
次のカナダ戦、日本にとっては4年ぶりのアウェーである。錦織にとってはあのデビュー戦以来だ。
日本の、錦織の真価を試す一戦になる。