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3カ月ぶり、本田圭佑がスタメン落ち!
ミラン快勝でインザーギは会心の笑み。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2015/02/23 11:15
決して諦めることの無い男・本田圭佑。次に出場する試合で、ボナベントゥラとの違いをどう出せるかが鍵となる。
戦術変更にも難なく対応してみせたボナベントゥラ。
チェゼーナの脅威は、199cmのFWジュリッチの高さだけだった。前半終了間際に打たれたMFデフェウディスの右足ボレーには冷やりとさせられたが、GKアッビアーティのビッグセーブがミランのゴールを救った。
後半もミランが主導権を握った。
8分、やはり左サイドを破ったメネズが、ゴール右前へクロスを入れる。ダイレクトに対角を狙ったボナベントゥラの右足シュートは左ポストに弾かれるも、この日、ミランの攻撃の全権は完全に彼の手中にあった。
本田とFWチェルチがウォーミングアップのペースを上げた30分過ぎ、チェゼーナの反撃を抑え込みたいインザーギは、チームに4-4-2へスイッチするよう指示を出した。
中盤を厚くするため、左サイドに下がるよう命じられたボナベントゥラが戸惑うはずがなかった。昨夏まで長年過ごしたアタランタの代名詞である4-4-2は、嫌と言うほど体に染みついている。地方クラブでの下積みが長かったボナベントゥラは、ポジションを変える前から、自陣サイドの守備をもちろん怠らなかった。
43分に得たPKを途中出場のFWパッツィーニが決めて、2-0としたミランは、タイムアップまでゲームを慎重に運ぶと、3試合ぶりの勝ち点3を手にした。
90分間を通して、背番号10に出番がなかったのは、今シーズン初めてのことだった。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が本田を酷評。
「自分自身のジャングルに迷い込んだ日本人。本田は創造性ゼロ」
前節エンポリ戦での引き分けは、ミランに対する現地メディアの酷評を招いた。とりわけ『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙の舌鋒は鋭く、本田には上記の寸評に加え、チーム最低評価となる採点「4」が下された。
同じく採点「4」をつけられたインザーギは「まだ本物の監督にすらなっていない。下部リーグか育成年代で修行し直した方がいい」とまで非難された。