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リーグ3連勝、ドルトムントに光明。
香川が語る、CLユベントス戦の意味。
posted2015/02/23 16:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
ドルトムントは、残留争いのライバルであるシュツットガルトとのアウェーゲームを3-2でものにして、リーグ戦3連勝を果たした。リーグで3連勝を飾ったのは今シーズン初めてのことだ。
現在12位となったドルトムントだが、入れ替え戦に回る16位フライブルクとの勝ち点差はまだわずかに3。クロップ監督は手放しで喜んでいるわけではない。
「我々にはまだやらなければいけないことがたくさんある」
ロイスもその意見に同調する。
「確かに僕たちは完璧な試合をしたわけではないね」
ただ、彼はこうも話している。
「ただ、現時点で完全な状態にあることが大切なわけではない。(大切なのは)今シーズンはじめてリーグ3連勝を飾ったことなんだ」
ドルトムントの攻撃面に見える、明らかな改善の兆し。
シュツットガルト戦ではセットプレーから2失点を喫するなど、監督も選手もセットプレーの守備を課題として挙げた。また、2-1で迎えた後半にチーム全体のペースが落ちたことはいなめない。そうした点への反省を口にした上で、香川真司はこうも話した。
「勝つことが何よりも大事です。良い試合をしても結果的に負けたら意味がないので。それは自分たちも経験しているし、違うところでも経験している。こういう悪い流れのなかでも勝ちきる――。レアル(シャルケとのCL)の試合も見ていましたけど、レアルも全然良くないけど、それでも勝ちきった。それが大事です。そういう意味では僕たちも悪い流れでも勝ちきることが大事かなと思います」
ただ、攻撃で少しずつ改善の余地が見られるのは見逃せない事実である。キーワードは「複数の選手が絡んだフィニッシュ」だ。
この試合の先制ゴールのシーンではオーバメヤンが中央から左サイドのスペースに迷いなく飛び出していくことで相手の2人のセンターバックが引きつけられた。そこで生まれたスペースにロイスがドリブルで侵入。相手の最終ラインの意識が今度はロイスに引きつけられている間に、香川が2列目から飛び出していく。ロイスがペナルティエリアにさしかかるところでパスを出すと、香川が反応。トラップが流れたものの、ゴール前に入っていたオーバメヤンがこれをダイレクトで蹴り込んだ。
2点目のシーンでは、この試合で再三見せてきたように香川が中央から右方向に顔を出していく。右サイドに流れていた左MFロイスからのパスを引き出すと、中央にヒールで流す。それを信じて後方から走りこんできたギュンドガンがパスを受けると、右隅に蹴りこんだのだ。