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3カ月ぶり、本田圭佑がスタメン落ち!
ミラン快勝でインザーギは会心の笑み。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2015/02/23 11:15
決して諦めることの無い男・本田圭佑。次に出場する試合で、ボナベントゥラとの違いをどう出せるかが鍵となる。
普通では有り得なかった、本田の評価「4」。
10点満点中6点を合格ラインとする『ガゼッタ~』紙の採点基準にあって、「4」という低評価は、そう頻繁に目にするものではない。
“早い時間帯に退場して、チームを数的不利に陥れた”場合であれば「4」を躊躇なく出せる、と同紙のベテラン記者から聞いたことがある。エースFWであっても、明らかな決定機を3度も4度も外せば同様の扱いだ。
もちろん、エンポリ戦で本田は退場していない。
彼への採点「4」は、当該試合だけのパフォーマンスについて出されたものではなく、得点機を作れず、シュートすら打たない10番が、1月下旬の再合流後に重ねてきた結果に対する累積評価なのだろう。
ボナベントゥラをベタ褒めしたインザーギ。
メディアに加えて、クラブ上層部からのプレッシャーにも晒されているインザーギは、これまで本田の適応能力と献身性を高く評価してきたはずだが、ついに10番をベンチに置く決断をした。
代わりに先発フル出場させたボナベントゥラを、試合後のインザーギはベタ褒めした。
「彼はあらゆる監督が望むプレーヤーだ。どのポジションに置いてもベストパフォーマンスを発揮してくれる。今日もトップ下で素晴らしい働きをしてくれた。後半のポジション変更もスムーズにこなしてくれたし、すごく褒めてやりたい」
機能した新戦術の攻撃の核が、ボナベントゥラであったことは明白だった。コンディションもピークにある彼を、試合の途中でベンチに下げる理由はどこにもなかった。
白星の立役者となったボナベントゥラは、試合後、勝利に浮かれることなく「今日はチームがシニカルにプレーすることができた。トップ下でのプレーは自分好みにできたし、自由に動けた。ただ、これから先、もっといいプレーをしなければ」と気を引き締めた。
4-3-1-2への戦術変更は吉と出た。