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3カ月ぶり、本田圭佑がスタメン落ち!
ミラン快勝でインザーギは会心の笑み。
posted2015/02/23 11:15
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
ほっとした顔のインザーギを見るのは、一体いつ以来のことだろう。
22日のセリエA24節で、ミランはチェゼーナを相手に、2-0の完封勝ちを収めた。
「ずっと望んでいたのは、(今日のように)いいプレーをしながら勝つことだ。選手たちに自信を取り戻してほしいと願っていた」
前節エンポリ戦での引き分けの後、再びの猛批判に晒された指揮官インザーギは、戦術と選手起用に大きく手を加えた。開幕当初の4-3-3から、4-2-3-1、4-3-2-1と戦術の試行錯誤を続けてきたが、19位のチェゼーナ相手に必勝を期し、トレクアルティスタ(トップ下)を置く4-3-1-2の採用に踏み切った。
スタメンリストには、約3カ月ぶりの異変が起きた。“Keisuke HONDA”の名が消えたのだ。
アジアカップで欠場した4試合と再合流直後のコッパイタリア準々決勝ラツィオ戦を除くと、MF本田圭佑がベンチでキックオフの笛を聞くのは、12節のミラノ・ダービー以来だった。
本田を押しのける形でトップ下に入ったイタリア代表MFボナベントゥラは、試合開始後わずか70秒で、相手GKレアーリを急襲するミドルシュートを放った。こぼれ球をMFポーリが押し込んだヘディング弾は、惜しくもオフサイドを取られたが、“今日は俺についてきてくれ”というボナベントゥラの意思はチーム全体に伝わった。
ボナベントゥラの起用に成功したインザーギ。
主将モントリーボやFWメネズと組んで、左サイドを攻略したボナベントゥラは、22分に先制ゴールを叩き込んだ。エリアの左手前から低く放った精密な右足シュートは、ゴールの対角を射抜いた。
昨年の夏に移籍するまでアタランタで10番を背負っていたボナベントゥラは、黙々とグラウンドでの黒子役に徹する職人肌のプレーヤーだ。しかし、つかず離れず、メネズとのコンビで幾度となく左サイドを崩した彼は、先制点を挙げた後も、雄弁なプレーを見せた。
インザーギの先発起用は、見事に的中した。